奥秩父主脈縦走5日間 <2019.05.01-05> 第三日目

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<第三日目>
笠取小屋(07:10)→雁峠(07:25)→燕山(8:30頃)→古礼山(09:14)→水晶山(09:50)→雁坂峠(10:30)→雁坂嶺(11:42)→東破風山(13:24)→西破風山(14:01)→破風山避難小屋(15:08)→木賊山(17:09)→甲武信小屋(17:32)

笠取小屋の朝。05時00分ごろ起床。遅いっての。

My tent ![mytent](

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笠取小屋メインタワー。奥へ進むと水場への降り口がある。 笠取小屋

昨夕に受付の際、小屋の方に、今日甲武信ヶ岳方向へ向かうがコース状況はどうかとお聞きすると、

「アイゼン持ってきたか?」
と厳しく問いただされた。
「持っています。軽アイゼンですが。」
「雲取からここまでとは、比べものにならんからな」
「そうですか。でも距離的にはここから甲武信ヶ岳のほうが少し短いのでは・・・」
「いやいや、登りがあるから全然違う。それにまだ雪も着いてて凍ってるからな」

なるほど、簡単じゃあないのね。

07時10分出発。どーしてもこうなってしまう。
テン場の様子。
だいたいみんな撤収している。そりゃそうでしょ。 テン場の様子

雁峠分岐。左へ進む。 雁峠分岐

無人(?)の小屋横を通り抜ける。 無人小屋

雁峠。正面が燕山への登り。 雁峠

峠の標識 左へ降りると、林道から広瀬湖へ出るらしい。 峠標識

左手(西側)奥の山容は、国師西側眺望

右手(東側)は笠取山。ピークは諦めることに・・。 東に笠取山

燕山手前の肩の部分まで登ってきた。正面が燕山。
この肩の部分で標高1990M。雁峠が約1780Mだから、標高差200Mほどだが、もー疲れてる。 燕山手前肩

燕山から古礼山あたりは、富士山への眺望が抜群だ。
どーしても写真に収めたい。
ごちゃごちゃやってるうちに20分ほども時間を浪費してしまった。
その挙句が、下のハーフ・ホワイトアウト・マウント・フジ。
半分ホワイトアウト富士

古礼山手前のタル付近からの富士。 富士山

も一丁。だんだん上手くなってきた。 富士山遠景

西を見はるかせば、遥かに白銀の南アルプスではないか。 西に南アルプス

古礼山まき道分岐まできた。09時03分だ。
巻かずに山頂へ向かう。 古礼山まき道分岐

古礼山登り斜面。ここは一旦緩やかに。 古礼山登り

倒木の向こうに山頂の標識が。くぐるのか。またぐのか。 山頂近し

9時14分、古礼山山頂(2112M)。 古礼山山頂

山頂から富士。 山頂から富士

9時50分、水晶山山頂(2158)。水晶はないかな・・ 水晶山

山頂のベンチで小休止。 小休止

下り始めるとすぐ雪が出てきた。 残雪斜面

雁坂嶺が見えてくる。
秀麗にして堂々たる山容。 雁坂嶺をのぞむ

国師方面もよく見えてくる。明日はあの向こうまで行くのか。
遠いな〜 国師遠望

笠取小屋で給水してきたので、雁坂小屋へは寄らず、直接雁坂峠に向かう。

10時30分雁坂峠到着。
今のところ天気は最高だ。
自分にしてはまずまずのペースだが、すでにへとへと状態。
20分ほど休むことにした。 雁坂峠

広瀬湖方面。 広瀬湖方面

この峠の少し手前の真下を雁坂トンネルが通っている。
国道140号。いわゆる「雁坂みち」。あるいは「秩父往還」。
1988年にトンネルができるまでは、ここを通る登山道が国道だったという。今や山梨ー埼玉を結ぶ重要ルートとなっている。
また、誰が決めたのか日本三大峠にもなっているそうで、その説明書きもあったが、疲れ過ぎて写真を取る気力すらない。

国立公園の案内板。 案内板

埼玉方面から、トレランの方が上がってきた。話を聞くとこれから木賊山方面へ行けるところまで行き(走って)、また雁坂峠経由で帰るという。半袖半ズボンに小さなリュックと、軽装だが、しかしよくやるものだ。
そんな話を聞いていると、こっちの疲労がますます滲んでくる。
この方とは破風山の稜線で再びお会いする。

雁坂峠で休みすぎたか・・。11時42分、雁坂嶺到着。
標高2289M。雁坂峠(2082M)からの標高差200M強となる。 雁坂嶺

雁坂嶺より南側遠望。遠くにホワイトアウト富士かもしれない。
少し曇ってきた。 南側遠望

同じく、甲武信方面遠望。 甲武信方面遠望

木の間から見える正面の濃い緑の塊が破風山。
その向こうに木賊山。さらに右隣のピョコンが甲武信ヶ岳
今日、あそこまで行くのか〜。

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東破風山の取り付き(2180M)までは、比較的なだらかな稜線を100Mほど下るのだが、その後の登りを考えるとね。
いっそ平にしてくれないかな・・ 緩やかな稜線を下る

立ち枯れた木々のある場所。
いや、魚の骨・・・ 立ち枯れた木々

魚の骨、終わる。奥が雁坂嶺。
ここまでも長いな〜 魚の骨的な

縦走路標識。 縦走路標識

破風山へ登り始め。
最初はこんなもんだが、すぐに・・・ 破風山取付き

もう、キッツいのなんの。 厳しい急登

標高差100Mほどだが、今日一番の急斜面だ。
激しく体力を消耗していく。

急斜面見下ろし。写真では多分わからない。 急斜面見下ろし

アイゼンはまだ装着していないが、登りの半分以上に雪が着いていて、急斜面なので何度も滑る。下りではアイゼン必須だろう。這いつくばるように登る。

東破風山。へたり込む。 東破風山山頂

環境省の標識には<標高2260M>とある。
しかし地理院地図のコンターを読む限り、2280M以上を示しているのは明らかだ。どっちが間違ってるの?
この時は首をひねりながらも、先へと進んだが、地形図の間違いであるならば、由々しき問題だ。
納得の行かない話である。

西に木賊と甲武信。まだまだ先だ。 木賊方面を見る

国師遠景。手前は鶏冠尾根。 国師遠望

広瀬湖・西沢渓谷方面。こちら側は人気のルートだ。 広瀬湖・西沢渓谷方面

西破風山と木賊山。間に見えるのは甲武信ヶ岳と思うが、もしかすると三宝山で、甲武信は隠れて見えないだけなのか・・。よくわからない。 木賊山と西破風山方面

東破風山〜西破風山は結構長く感じる。岩稜帯で歩きづらくもある。 西破風山への岩稜帯

鶏冠尾根のギザギザがはっきり見えてきた。
この尾根には進入禁止だ。 鶏冠尾根

14時01分、やっと西破風山に到着。標高2317Mだ。 西破風山到着

残雪が増え始める。 残雪

この後の急下りに備えて、アイゼン装着。 アイゼン装着

木賊山が大きく見えてきた。 大きな木賊山

破風山避難小屋が見える(真下に、という感じ)。 真下に破風山避難小屋

この高度感! この高度感

これを下って、また木賊まで登るわけ?
・・ここから賽の河原あたりまで、平らにしてくれないかな。

富士山遠望。 富士遠望

ありがたいことに、この岩場の下辺りから、凍っているそうだ。 岩場

避難小屋(約2080M)まで標高差240M下る。 240Mの下り

破風山避難小屋に到着。15時08分だ。
本来なら、甲武信小屋に到着していなければならない時間・・・ 破風山避難小屋

西破風見返し。ぐずぐずしてはいられない。 西破風見返し

このあと木賊山とりつきのあたりは、気が急いて写真を撮っていない。いずれにせよ避難小屋からは、標高差390M程を登る。
雁坂峠あたりから右膝が痛い。ここまできて今度は右足付け根も痛みだした。
気力を振り絞って、先に進む。

とにかく黙々と300Mちかく登って、賽の河原と呼ばれる岩場に到着。
急登の連続で体力消耗が著しい。 賽の河原

岩場より。
右の方から左へ稜線をたどれば木賊山山頂だ。
まだまだの気がする。 木賊山頂方面を見る

木賊山東斜面を見る。徳ちゃん新道はあの稜線の上か。 木賊山東斜面

破風山を振り返る。
三角形の斜面が顕著で、たしかに屋根の破風のように見える。 破風山見返し

さらに登る。急に気温が下がってきた。 さらに登る

雪の着いた急登。 雪の着いた急登

キッツいなー。
アイゼンを効かせながら登って行く。 急登

やっと甲武信小屋へのまき道分岐についた。
標高2410Mあたり。
まき道は行かずに直登する。 まき道分岐

戸渡尾根分岐。
近丸新道・徳ちゃん新道が別れる。

戸渡尾根分岐

木賊への最後の登り。 最後の登り

山頂だ。17時09分になる。 木賊山山頂

木賊山山頂標識。標高2468M。
やっとここまできたか。 2468M

木賊山から甲武信ヶ岳をのぞむ。とんがっているぞ。 甲武信ヶ岳

国師・金峰方面。
国師・金峰方面

瑞牆方面か・・。ベージュの空だ。 急激に気温が下がってきて、ポツポツとなにか降ってきた。 瑞牆方面?

はっきりとした降雪を確認。急いで小屋へ向け降下する。

甲武信小屋。17時32分。
だ〜〜〜、やっと着いたぜ。 甲武信小屋

テン場の様子。
えっ、雪上ですか?なんとなく予想してましたが。 テン場

受付を済ませ、小屋の方に設営場所を伺う。
「見ての通りいっぱいでね。雪の上に張ってもらうしかないけど、斜面だから、掘ってもらうしかないんだよね。スコップあるから。急がないと日没になるよ。」

なるほど、わかりました。
スコップお借りします。
案の定、到着が一番遅いのが自分です。
大体の場所を指示され、まわりの登山者に声掛けしたあとは、ひたすら掘る。スコップを振るい掘る。
20分ぐらい、ひたすら掘っては均し掘っては均しを繰り返し、どうにか一張りできるスペースをこさえた。
隣の方が最後の方を少し手伝ってくださり、ありがたかった。

大急ぎでテントを設営する。
所要時間大体5分でできるはずが、10分程度を要した。
内部にシルバーの遮熱シートを敷き、荷物も靴も放り込んでファスナーを閉め、スコップを返しに小屋に向かう。
18時20分過ぎだ。

雪上テント設営

寒気が入り込んで来たのか急激に冷え、体の震えが止まらない。
小屋番の方が見かねて「だいじょぶかい」といってくれた。
聞けば、宿泊客以外の食事はないのだが、おでんなら出せるという。直ちに注文する。
人の作った温かいものとは、ありがたいものだ。
このときしみじみ理解する。
明日はマイナスらしいよ、と誰かが言っている。
今でも充分マイナスでないの?

テントに戻ると暗くなってきた。
疲れていてもう何も食事を作る気になれない。
明日できるだけ早く起きるためにも、さっさと寝ることにする。
あらゆる衣類を着込んで、シュラフにくるまり、足をリュックの中に放り込んで眠る。
あっという間に睡魔が訪れた。

<第三日目 終了> 

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