鳳凰三山縦走2023 <第二日目>

jadwigalareve.hatenablog.jp

2023年10月8日(土)第二日目。

暗いうちから荷物をパッキングし、小屋前でラーメンを作る。 生野菜たっぷり入りのラーメンだ。

AM5:45、出発する。

最終日にお世話になった鳳凰小屋

まだ薄暗いが、ヘッデンまでは必要ない。

今日は小屋から鳳凰三山を縦走し、南御室小屋、辻山、杖立峠、夜叉神峠をへて夜叉神ヒュッテ前バス停まで降りる。

第二日目地図

周知のとおり鳳凰山という山は無く、地蔵岳観音岳薬師岳の三山を総称してそう呼ぶ。 なかでも最初の地蔵岳には、三山を象徴するオベリスクが羽根を広げて天高く聳え立っている。 そのオベリスクを目指し、風化花崗岩由来の真砂土色の砂の急斜面を300M以上登る。

最初からこんな感じ

真っ白い砂斜面に入って行く

砂の300M

ううっ、足が取られる・・・

振り返れば白い岩と紅葉と。美しいぞ。

遅いぞ、お前ら

見えてるけど、まだまだ遠い

傾斜に踏みとどまる大岩。平行四辺形・・・

振り返れば薄日もさしている

近づいて来たぞ

AM6:43、尾根上に到着。賽の河原(さいのかわら)と呼ばれる場所だ。足をとられて苦労した砂斜面は終わる。

正面にオベリスク

鳳凰は天に向かって何を叫ぶのか

歓喜か慟哭か。

羽根を広げるがごとく

今日は午後から天気は崩れるという。

だが今のところ快晴ではないものの、南アルプス北部は大体見渡せる。

尾根に出て、まず正面にドーンと見えてくるのが甲斐駒ヶ岳

三年前登った甲斐駒ヶ岳

観音岳

恐れ多いことだが、これからオベリスクに登ってみる。

どこまで登れるのか

オベリスク

元の意味は、単一の岩石から削り出された四角柱の石塔」と言うことだそうだが、 はたして鳳凰山のそれは、地蔵岳山頂から約18Mもの高さで聳える岩峰である。

その奇観は古くから人々の信仰と伝説の対象となってきた。

岩峰に取り付く

途中まで登れば・・・

すぐ隣の赤抜沢ノ頭

早川尾根とアサヨ峰_山頂部に雲がかかる

日差しさす甲府盆地方面

再び観音岳

そして奥に富士山

ついにオベリスクの根元まで来た。

もう一人、さらに上を目指す者も

本当にあの18M上の岩のてっぺんまで登る者もいる。 ロープが一本たれているらしいが、それに手が届くまでも、またその先もかなり危険で難易度が高いという。 薬師小屋の関係者によれば、毎年血だらけになって降りてくるものが数名いるらしい。 血だらけで済めばよいが、ヘタをすれば命を落としかねない。 ここは神々の山なのだ。 だからピエールさんはここでやめておく。だいいち痛いだろ、そんなもの。

それより景色を堪能しよう。

北岳(右)と間ノ岳

白峰三山(しらねさんざん)に朝日が。

北岳

東面に見える大岩壁がいわゆる北岳バットレスだ。

オベリスクを後にする

オベリスクは少し離れてみた方がスマートだ。

このように

下をみおろせばこの通り。

賽の河原が真下に見える

落ちればひとたまりもない

これから進む観音岳

岩の間から甲斐駒

下りる途中には盆栽のような造形の松と地蔵様

タルベまで戻ってきた

賽の河原の地蔵群と甲斐駒ヶ岳

賽ノ河原は一面花崗岩の白い砂地で、多くの地蔵が安置されている。

「地蔵を一体背負って下山し祈念をすると子を授かり、お礼に二体の地蔵を山にお返しすれば子が健やかに育つ」ということのようだ。 今のように山小屋や装備のない時代に石の御地蔵様を二体も背負って、どうやってここまで登ってきたというのだろうか。

賽の河原から5、6分登り返すと赤抜沢ノ頭に着く(AM7:31)。

赤抜沢ノ頭

ここは早川尾根の起点でもある。

このような奇岩も

北岳

観音岳方面

連休とあって登山者も多い

赤抜沢ノ頭を後にする

これからも人々の営みを見守っていてもらいたい。

さらば、オベリスク

ここから鳳凰三山の縦走となる。 右前方に白峰三山を望みつつ進むコースだ。

右から北岳間ノ岳農鳥岳・奥に聖岳

北岳(3,193M)は富士山に次ぐ日本第二位の高峰。間ノ岳(3,190M)は奥穂高岳と共に第三位。 農鳥岳は3,053M、明石岳は3,121M、聖岳は3,013M。 いずれも3000M峰だ。

白峰三山は登ったので、ニ、三年のうちには南アルプス南部を縦走したいと思う。 私自身の体力が衰えないうちに。

振り返ると

白い崖。そして奥に甲斐駒が見える。 3年前に黒戸尾根を登ったが、あれはきつかった。。。

赤抜沢ノ頭越しに甲斐駒ヶ岳を望む

再び北岳

再びオベリスク

後ろ髪引かれつつ観音岳へ。

まだ天気はもっている

右は切れ落ちていて高度感ある

白い崖を振り返る

観音岳とのタルベが見えてくる

白い崖を下る

振り返るとちらとオベリスクが。

今度は見上げる角度に

白い縦走路と北岳

登り返してゆくと、鳳凰小屋からのトラバース道と合流する。

分岐を通過

AM8:37、観音岳到着。

観音岳

大展望が広がる。

白峰三山

甲斐駒ヶ岳

甲斐駒とオベリスク

八ヶ岳

西側はとにかく真っ逆さまに切れ落ちている

薬師岳方面

薬師岳と富士

富士にかかる傘雲

得意満面のピエールさんだ

山頂のモニュメント

まだ9時前だが、休憩がてら昼食用にもってきたパンを食べる。 そこそこの人数が山頂で景色を楽しんでいる。

中央線に乗っていると韮崎近辺からこの鳳凰三山はよく見える。オベリスクが目印だ。 それだけ甲斐地方の人々に広く親しまれている山ということだろう。

甲斐駒ヶ岳は何度見ても美しい。さらに後方には北アルプスまで見えていた。 8月に歩いた穂高連峰と大キレット槍ヶ岳までもがはるか遠くに確認することができる。

白く輝く甲斐駒ヶ岳

賽の河原までの白砂の急斜面が見える。 花崗岩の風化が進みオレンジがかった白砂の斜面だ。

オベリスクと登ってきた白い斜面

はるか下方、約1000M下には早川が流れる。

深い谷を刻む

AM8:55観音岳を後にする。

薬師岳へ向かう

観音岳薬師岳の縦走路

白峰三山と縦走路西面の白い砂の斜面。きれいだ。

白い縦走路は続く

AM9:27、薬師岳山頂到着。

薬師岳山頂標識

山頂は白くて広い頂だ

こちらもまた大展望だ。

北岳方面

下写真右は先程までいた観音岳、中央にアサヨ峰、左奥は仙丈ケ岳(3,033M)。

振り返り方向の展望

薬師岳には複数のピークがあるようだ

すぐ東側のこれも山頂?

薬師岳山頂南側には特徴的な岩峰群が。オベリスクかと思うような大岩のオブジェもある。

オベリスク・・・ではなくて

アプローチしてみる。

オベリスクに肉薄す

オベリスクの先に薬師小屋の赤屋根が見えた。 小屋の左前方のピークが地形図にある「砂払」か。

薬師小屋

やはり3年前に歩いた仙丈ケ岳。こちらから見える東面カールの裏側に千丈小屋もあるはずだ。

仙丈ケ岳遠望

この薬師岳からも青木鉱泉側へ降りられる。

分岐ルートを行く登山者

AM9:37、山頂を後にする

オベリスク横を進む。

花崗岩の特徴的な岩峰群と

白く美しい斜面を行く。

ザッザッと楽しい気分で、この優美な斜面を下り下る。

降りてきた斜面を振り返る

薬師小屋を抜け、砂払へ向かう。

砂払へ

小屋脇には真っ赤な実が。ナナカマドだろうか。

赤い実

穴をくぐる?

砂払から観音岳薬師岳山頂方向

北岳間ノ岳

なんという険しさであろう。

バットレス

砂払を抜ける。

樹林帯に入る。

シラビソの森だ。

AM10:40頃、南御室小屋到着。

南御室小屋

コーヒーがあるというのでごちそうになる。 カレーライスやベーグルサンドなどのオシャレ系ランチも出されていたようだが頼まなかった。 ここは水が出ることがわかっていたので、鳳凰小屋を出るときはタンクを満水にしなかった。

給水させていただき、トイレも借りて、AM11:05、夜叉神峠に向け出発する。

夜叉神峠の文字

途中に「辻山」への分岐がある。

辻山への案内標識。
どうするか迷ったが、<山と高原地図>には「山頂西から好展望」とあったので寄っていくことに。

80M程度登る。

AM11:36、辻山到着。標高2,585Mだ。

辻山山頂標識

確かに好展望だ。だがだいぶ雲も出てきた。

辻山を後にする。 来た道ではなく、途中から南へ分けて進めばまもなく本道と合流する。ここを「苺平」という。

苺平の標識
PM0:00に苺平を後にする。

あとはひたすら下るだけだ。

PM12:47、杖立峠道標到着。

杖立峠道標
飛ばしてきたので、少し休憩。

樹林帯の中をひたすら下る。

傾斜が緩い分飛ばせるが、だんだん飽きてくる。

PM13:32、やっとのことで夜叉神峠到着。あとはバス停まで下るだけだ。

ここで雨が降ってくるという。 バス停まで雨具を出さずに済ませようとした目論見ははずれ、結構な降雨となった。

PM14:13、雨の中、登山口到着。

夜叉神峠登山口

無事バス停に到着することができた。

バス停待合

14:41発のバスに無事間に合った。夜叉神から甲府駅へ。甲府から東京へ。

こうして3年越しの鳳凰三山縦走は完了した。 最後の雨を除けば天候には恵まれた。初日はしこたまきつい急登。2日目はひたすら長い縦走路。 しかしだ。 初日の連続する名瀑や美しい小渓。 二日目の白い縦走路と岩峰群。南アルプスの大展望。 それぞれ特徴的な山岳景観を味わうことができた。 今回もまた、実に充実した山行じゃあなかったかね。

鳳凰山の稿、了。