2024笠ヶ岳から読売新道へ 第四日目

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赤牛へ
<第四日目 8月12日 月曜日>

鷲羽岳山頂にはAM4:47頃到着している。

四日目ルート その1

三俣山荘を出たのはAM3時頃であったか・・・

鷲羽岳山頂標識
何にせよ早出新記録だ。これまで4時代後半に出たのが一番早い。

それもそのはず、今日は鷲羽・水晶・赤牛を越え、読売新道を奥黒部ヒュッテまで下るロングトレイルだ。 早出しなければたどり着かない。

まずは三俣山荘北の最低コルが標高2536M、鷲羽山頂の標高が2924Mと、約400Mの急登を登る。

暗闇の中ヘッデンをつけて登り始める。 山荘から見上げると光の列ができていた。みな山頂からご来光を見るのだな。 こんな時間だというのに多くの登山者が黙々と登っていく。

のっけからの急登に、しんどくて足が思うように上がらない。 若いモンにはどんどん抜かれていく。 朝一は本当にペースが上がらぬ。

ゼイゼイ言いながら2時間近くかけ山頂にたどり着く。 既に多くの登山者が集うそこには絶景が待っていた。

槍・穂高連峰と富士

夜明け待つ後立山連峰

鷲羽池_かつての火口だ

山頂に多くの登山者

水晶へと続く尾根

夜明け

北西方向に薬師岳

黒部五郎岳

やがて山々はバラ色に染まり出す。

水晶岳(黒岳)標高2986M

AM5:12、出発する。 ご来光を挟んで絶景を堪能した。 あまりの絶景に少しく長居をしてしまったようだ。

ワリモとのタルベに下る
早朝の冷たい空気の中、水晶岳を正面に見据え、まずはワリモ岳へ向かう。
正面にワリモ岳・・・ワリモとは?

左手を見ると、まだ暗い斜面に黒部川最源流の谷筋。正面に黒部五郎岳

黒部源流の谷

タルベまで降りてきた。

ワリモの見上げ

今日は最高の天気になるぞ。

ワリモ岳より。 鷲羽岳西斜面越しに、三又蓮華岳双六岳。手前下に三俣山荘の赤屋根も見える。

好天の期待感しかない

朝日差す黒部源流部の山々。

黒部五郎岳

奇岩越しの槍ヶ岳

鷲羽岳の美しすぎる西斜面。秀麗というほかない。

焼岳、乗鞍、御岳までも

北西に薬師。手前は祖父岳を経て雲ノ平方面へのトレイル。

薬師遠望

ワリモから正面のP2841を迂回すれば岩苔乗越分岐上を経て水晶小屋、そして水晶岳だ。愉しすぎる。

水晶方面

P2841からいったん下り、草原を今度は水晶小屋まで登る。 この標高に樹林はない。 右前方の尾根上に先行する登山者が見える。

標高2800Mの草原

振り返れば鷲羽岳。 なんと心躍るトレイルか。

鷲羽岳を振り返る

槍どころか穂高、ジャンダルムまで見える!

槍・穂高連峰

東鎌尾根と常念岳

鷲羽・ワリモ、奥に笠も

槍!穂高

西鎌尾根、そして北鎌尾根と、羽をひろげる槍ヶ岳

羽を広げるかの如く

AM7:00、水晶小屋に到着する。 黒部渓谷に朝日差し、黒部湖とその向こうに長大な後立山連峰を望むことができる。 白馬三山、唐松岳五竜岳、そして鹿島槍ヶ岳・・・。6年前に全な歩いた山々だ。右手は東沢谷。

水晶小屋デッキより北方を眺む

正面左に赤牛岳。 前方に立山。その奥に剣だろうか。

赤牛岳と立山連峰

山並みの連なりの美しさよ

後立山連峰

水晶小屋で朝食をとる。稲荷寿司とお茶を頂いた。

絶景過ぎてなかなか腰が上がらない。

水晶小屋を後に
PM7:30、小屋を後に、水晶岳を目指す。

小屋裏のピークに標識がある。ついに赤牛、読売新道の文字が。

小屋裏ピークの標識

何度も振り返ってしまう槍ヶ岳

緩やかなトレイルを少し進み、小屋を振り返える。

小屋を振り返る
小屋の真後ろが東鎌尾根越しの常念岳だ。その右手奥には富士山!さらに南アルプス

水晶岳

東斜面には雪も残る

頂上には多くの登山者。

山頂間近

AM8:08水晶岳山頂到着。標高2,986M。今回山行の最高標高点となる。

山頂到着

これまた360度の大展望!

山頂直下は100M程の岩場の急登だ。鎖場もある。

山頂直下の岩場

写真を撮ってもらいご満悦。

得意満面のピエールさんだ

黒部峡谷後立山連峰

正面が水晶岳北方(2,977M)だ。今いる南峰より9M低いが、三角点はこちらにある。

水晶岳北峰

雲の平。目を凝らすと雲ノ平小屋も見える。左に黒部五郎、奥には白山も。

雲ノ平

双六岳と三俣蓮華岳に囲まれた丸い地形(どうも地理院地図と整合しないように見えてしまう・・・)。 奥に笠ヶ岳。2日前はあそこにいたのだ。 左奥は御岳山。

笠ヶ岳遠望

本当にいい天気になった。

再び、槍穂高連峰

AM8:20、出発する。 南峰から一旦下り北峰へ。

水晶岳南峰見返し

北方の三角点(2,977M)

AM8:32、出発する。気温もだいぶ上がってきた。

赤牛へ進め

水晶北峰からも岩場の下りだ。気を緩められない。

北峰見返し

ザレた稜線を進む。

北上する

左手を見下ろすと、800M下に高天原山荘の屋根が見える。山荘からさらに100M程北へ下ると高天原温泉だ。 温泉といっても登山道しかない温泉だ。

左下方に高天原温泉

右手には野口五郎岳真砂岳などの裏銀座縦走路が見える。

裏銀座縦走路

これで笠ヶ岳も見納めか

黒部五郎と雲ノ平

赤牛は射程に捉えているぞ

水晶岳を振り返る

左手には巨大な薬師岳

高天原分岐。水晶からもう1時間近く経っている。

高天原分岐
赤牛はすぐそこに見えているようで、いつまで経っても近づいてこない。

四日目ルート その2

黒部五郎を振り返りつつ出発

東沢谷源頭部越しの槍と北鎌尾根

水晶岳見返し

真砂岳と五郎池方面

赤くザレた斜面を登ってゆく

肉薄しているようで、まだまだなようで・・・

黒部湖が見える

遠く槍ヶ岳

雲が出てきたが、真夏の太陽にじりじりと焼かれる。気温も相当高くなり、うだるような熱気の中を進む。

笠ヶ岳もまだ見えている

槍ヶ岳と、雲に見え隠れの穂高

赤い道をずっと進んできた

水晶と赤い道

薬師岳カール

空へ

山頂の上にほどけた遺伝子DNA

赤牛岳到着はAM11:16。標高2,864Mだ。

赤牛岳山頂
水晶から3時間近くもかかってしまった。

暑さのせいでバテた。頭がぼーっとする。しかしながら素晴らしすぎる景色だ。

明日行く予定の五色ヶ原、立山方面

三ッ岳と、奥は唐沢岳だろうか・・

黒部湖

この絶景を、いつまでも眺めていたいものだ。

圧巻の薬師岳カール

もう一度槍ヶ岳

五色ヶ原遠望_山荘も見える

AM11:30、出発する。

さらば、赤い道

赤牛岳標高が2,864M。今日の目的地の奥黒部ヒュッテの標高が約1,490Mだから、標高差1400M近くを一気に下る。

黒部湖へ

大らかな山容の赤牛岳ではあるが、下り初めは予想外の岩場の急下りだ。

急下り

さようなら、赤い牛。

さようなら、赤い牛

さて前方には刺々しいピークが見える。

刺々しい岩山を乗越して行かねばならない
一体どのようにすればこのような造形ができるものであるのか。いずれ太古の火山の営みであろうが・・・。

大岩の上をぴょんぴょんと

この先は急角度の下降だぞ!

黒部湖まで逆様に転げ落ちそうな・・

ハイマツ帯から白い岩がニョキニョキと生えている感じ・・

おっそろしく尖った岩ども

集中力を欠くわけにはいかない下降ルート。

大岩の側面を下降する

岩場の急下りはまだ続く・・

この大岩の上を通るルートでなくてよかった

とりあえず危険な岩稜帯は通過したようだ。

大岩見返し

さて先はまだ長い。ひとまずあの先端に見える、白く輝く展望テラスを目指そうじゃあないか。

先は長そうだ。

見返せば、ずっと続いた赤い山並み。

さらばだ、赤い山々よ

あの先の白いテラスから、黒部湖を見下ろすことができるはずだ。

赤から白へ

黒部湖へのビュー。少し休憩する。

眼下に黒部湖
この先樹林帯に入っていくのだが、それにしても暑い。 満々と水をたたえるダムの水面は陽炎のように、時折歪んでさえ見える。

水晶小屋から赤牛岳がほんの間近に見えたものだが、4時間近くもかかってしまった。

そして今黒部ダムは間近に見下ろせる。

PM12:50、白い砂のテラスを出発する。

徐々に樹林帯に入って行くのだが、読売新道はここからが長かった。

蒸し風呂のような樹林帯を下る

真夏の気温は標高を下げるにつれどんどん高くなる。 それに今日は風もない。暖気が滞留する感じで、暑く長い戦いとなった。 三俣山荘で汲んできた水は飲みつくす勢いだ。 早く奥黒部ヒュッテに到着したい。

下りなのでスピードも上がり運動量が増える分、体温は爆上がり状態に。 何人か登山者を追い抜いたが、下っても下っても終わらない。

ついにへたり込むように休憩する。そして休憩の回数がどんどん増えていく。 どこまで続くのか、読売新道よ。

途中、2時間近く下った頃だろうか、登山道の崩落個所も。

崩壊地を越えて
木段が宙に浮いている。 ロープが渡されているので、軽くつかみながら慎重に降りる。

崩落個所を過ぎてなお、延々と下りが続く。 もういっそ、下るのをやめて幕営し、寝ちまおうかな・・・と思い出した頃、 やっと下から川音がごうごうと聞こえ始めた。

奥黒部ヒュッテに着いたのは16:00前頃であったろうか・・・

到着した写真も撮っていないので、今となっては正確なところはわからない。

奥黒部ヒュッテのテン場
何しろ疲れすぎた。

とりあえず水は豊富に出ているのでがぶ飲みし、テン場に幕営場所を定めると、 荷物を放り出し、設営もせずに草の上に倒れ込む。 そのまま寝てしまった。

1時間近く、虫に刺されながら爆睡したような・・・

17時過ぎにゴゾゴソと起き出して幕営し、とりあえず明日の朝越える予定の東沢谷にかかる橋を見に行く。

東沢谷
東谷沢はこの時期にしてなお、太く力強い水量を誇っている。

来季かその次かに、ここから東谷沢を遡上し、水晶まで登り詰めてみたいものだ。 テントに戻り、しばしぼぉーっとしていたが、のそのそと食事の準備を始める。

飯を食い終わった頃には日が暮れて暗くなっていた。 19:30頃小屋へ行って風呂に入れないか聞くと可能だという。 こんな山奥で、有難いことだ。 順番は自分が最後だった。

テントに戻り、明日のルートと時間を確認する。

黒部湖の右岸を3時間ほど進んで「平ノ渡場」で対岸へわたり五色ヶ原山荘まで。

関西電力が無料運行してくれている1日5便のボートは、 第一便が針ノ木谷船着場を6:20分発、第二便が10:20分だ。 今日のようなロングトレイルでもあるまいし、第一便は端から考えていない。 7時に出れば十分に間に合うだろう。 明朝は5時に起きれば十分だ。

そこまで考えると、急速に睡魔が襲ってきた。 過酷すぎる今日一日の行程に思いをはせる間もなく、あっという間に黄泉の世界へと落ちていった。

第四日目の稿、了。

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