
鷲羽岳山頂にはAM4:47頃到着している。

三俣山荘を出たのはAM3時頃であったか・・・

それもそのはず、今日は鷲羽・水晶・赤牛を越え、読売新道を奥黒部ヒュッテまで下るロングトレイルだ。 早出しなければたどり着かない。
まずは三俣山荘北の最低コルが標高2536M、鷲羽山頂の標高が2924Mと、約400Mの急登を登る。
暗闇の中ヘッデンをつけて登り始める。 山荘から見上げると光の列ができていた。みな山頂からご来光を見るのだな。 こんな時間だというのに多くの登山者が黙々と登っていく。
のっけからの急登に、しんどくて足が思うように上がらない。 若いモンにはどんどん抜かれていく。 朝一は本当にペースが上がらぬ。
ゼイゼイ言いながら2時間近くかけ山頂にたどり着く。 既に多くの登山者が集うそこには絶景が待っていた。







やがて山々はバラ色に染まり出す。

AM5:12、出発する。 ご来光を挟んで絶景を堪能した。 あまりの絶景に少しく長居をしてしまったようだ。


左手を見ると、まだ暗い斜面に黒部川最源流の谷筋。正面に黒部五郎岳。

タルベまで降りてきた。

今日は最高の天気になるぞ。
ワリモ岳より。
鷲羽岳西斜面越しに、三又蓮華岳・双六岳。手前下に三俣山荘の赤屋根も見える。

朝日差す黒部源流部の山々。


鷲羽岳の美しすぎる西斜面。秀麗というほかない。

北西に薬師。手前は祖父岳を経て雲ノ平方面へのトレイル。

ワリモから正面のP2841を迂回すれば岩苔乗越分岐上を経て水晶小屋、そして水晶岳だ。愉しすぎる。

P2841からいったん下り、草原を今度は水晶小屋まで登る。
この標高に樹林はない。
右前方の尾根上に先行する登山者が見える。

振り返れば鷲羽岳。
なんと心躍るトレイルか。




西鎌尾根、そして北鎌尾根と、羽をひろげる槍ヶ岳。

AM7:00、水晶小屋に到着する。
黒部渓谷に朝日差し、黒部湖とその向こうに長大な後立山連峰を望むことができる。
白馬三山、唐松岳、五竜岳、そして鹿島槍ヶ岳・・・。6年前に全な歩いた山々だ。右手は東沢谷。

正面左に赤牛岳。
前方に立山。その奥に剣だろうか。


水晶小屋で朝食をとる。稲荷寿司とお茶を頂いた。
絶景過ぎてなかなか腰が上がらない。

小屋裏のピークに標識がある。ついに赤牛、読売新道の文字が。


緩やかなトレイルを少し進み、小屋を振り返える。



頂上には多くの登山者。

AM8:08水晶岳山頂到着。標高2,986M。今回山行の最高標高点となる。


山頂直下は100M程の岩場の急登だ。鎖場もある。

写真を撮ってもらいご満悦。

正面が水晶岳北方(2,977M)だ。今いる南峰より9M低いが、三角点はこちらにある。

雲の平。目を凝らすと雲ノ平小屋も見える。左に黒部五郎、奥には白山も。

双六岳と三俣蓮華岳に囲まれた丸い地形(どうも地理院地図と整合しないように見えてしまう・・・)。
奥に笠ヶ岳。2日前はあそこにいたのだ。
左奥は御岳山。

本当にいい天気になった。

AM8:20、出発する。
南峰から一旦下り北峰へ。


AM8:32、出発する。気温もだいぶ上がってきた。

水晶北峰からも岩場の下りだ。気を緩められない。

ザレた稜線を進む。

左手を見下ろすと、800M下に高天原山荘の屋根が見える。山荘からさらに100M程北へ下ると高天原温泉だ。
温泉といっても登山道しかない温泉だ。

右手には野口五郎岳や真砂岳などの裏銀座縦走路が見える。






高天原分岐。水晶からもう1時間近く経っている。










雲が出てきたが、真夏の太陽にじりじりと焼かれる。気温も相当高くなり、うだるような熱気の中を進む。






赤牛岳到着はAM11:16。標高2,864Mだ。

暑さのせいでバテた。頭がぼーっとする。しかしながら素晴らしすぎる景色だ。



この絶景を、いつまでも眺めていたいものだ。



AM11:30、出発する。

赤牛岳標高が2,864M。今日の目的地の奥黒部ヒュッテの標高が約1,490Mだから、標高差1400M近くを一気に下る。

大らかな山容の赤牛岳ではあるが、下り初めは予想外の岩場の急下りだ。

さようなら、赤い牛。

さて前方には刺々しいピークが見える。


この先は急角度の下降だぞ!



集中力を欠くわけにはいかない下降ルート。



とりあえず危険な岩稜帯は通過したようだ。

さて先はまだ長い。ひとまずあの先端に見える、白く輝く展望テラスを目指そうじゃあないか。

見返せば、ずっと続いた赤い山並み。

あの先の白いテラスから、黒部湖を見下ろすことができるはずだ。

黒部湖へのビュー。少し休憩する。

水晶小屋から赤牛岳がほんの間近に見えたものだが、4時間近くもかかってしまった。
そして今黒部ダムは間近に見下ろせる。
PM12:50、白い砂のテラスを出発する。
徐々に樹林帯に入って行くのだが、読売新道はここからが長かった。

真夏の気温は標高を下げるにつれどんどん高くなる。 それに今日は風もない。暖気が滞留する感じで、暑く長い戦いとなった。 三俣山荘で汲んできた水は飲みつくす勢いだ。 早く奥黒部ヒュッテに到着したい。
下りなのでスピードも上がり運動量が増える分、体温は爆上がり状態に。 何人か登山者を追い抜いたが、下っても下っても終わらない。
ついにへたり込むように休憩する。そして休憩の回数がどんどん増えていく。 どこまで続くのか、読売新道よ。
途中、2時間近く下った頃だろうか、登山道の崩落個所も。

崩落個所を過ぎてなお、延々と下りが続く。 もういっそ、下るのをやめて幕営し、寝ちまおうかな・・・と思い出した頃、 やっと下から川音がごうごうと聞こえ始めた。
奥黒部ヒュッテに着いたのは16:00前頃であったろうか・・・
到着した写真も撮っていないので、今となっては正確なところはわからない。

とりあえず水は豊富に出ているのでがぶ飲みし、テン場に幕営場所を定めると、 荷物を放り出し、設営もせずに草の上に倒れ込む。 そのまま寝てしまった。
1時間近く、虫に刺されながら爆睡したような・・・
17時過ぎにゴゾゴソと起き出して幕営し、とりあえず明日の朝越える予定の東沢谷にかかる橋を見に行く。

来季かその次かに、ここから東谷沢を遡上し、水晶まで登り詰めてみたいものだ。 テントに戻り、しばしぼぉーっとしていたが、のそのそと食事の準備を始める。
飯を食い終わった頃には日が暮れて暗くなっていた。 19:30頃小屋へ行って風呂に入れないか聞くと可能だという。 こんな山奥で、有難いことだ。 順番は自分が最後だった。
テントに戻り、明日のルートと時間を確認する。
黒部湖の右岸を3時間ほど進んで「平ノ渡場」で対岸へわたり五色ヶ原山荘まで。
関西電力が無料運行してくれている1日5便のボートは、 第一便が針ノ木谷船着場を6:20分発、第二便が10:20分だ。 今日のようなロングトレイルでもあるまいし、第一便は端から考えていない。 7時に出れば十分に間に合うだろう。 明朝は5時に起きれば十分だ。
そこまで考えると、急速に睡魔が襲ってきた。 過酷すぎる今日一日の行程に思いをはせる間もなく、あっという間に黄泉の世界へと落ちていった。
第四日目の稿、了。




