2024笠ヶ岳から読売新道へ 第六日目 最終日

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五色ヶ原と立山カルデラ絶壁
<第六日目 8月13日 水曜日>

最終日である。

ゆっくり出てもよかったのだが、珍しく早く目が覚めた。

六日目ルート

AM4:52、出発する。

立山室堂へ向かう

まだ霧が濃い。

五色ヶ原をあとにする

高層湿原にも流れはある。

水の流れと花々

高原の縁まで緩やかに登り詰めると、いきなり荒々しい景観が目を奪う。立山カルデラだ。

立山カルデラの断面

カルデラの断面を見ると色の変わり目のラインがあることがわかる。 数十万年の火山活動の中で、時を置いて火砕流や溶岩が積層して成り立っているのだ。

カルデラ断面②

それにしても荒々しい岩肌である。

荒々しい崖面

カルデラの縁の部分をザラ峠へ向けて下る。すっ転びそうになりながら、木の根や岩を掴みつつ慎重に下りていく。

カルデラの縁の急下り(振り返り見上げ撮影)

だいぶ下ってきた

ザラ峠到着。まだAM5:53だ。

ザラ峠

ここまでカルデラの縁を歩いてきた。そもそもこの立山カルデラとは何か。

このカルデラ内に立山火山群の複数の火口があったことは間違いない。 ものの本によれば、巨大噴火によるいわゆる「陥没カルデラ」(大量の火山灰や火砕流が噴出し地下が空洞化して落ち込んだカルデラ)ではなく、 崩れやすい火山堆積物がどんどん浸食されてできた「浸食カルデラ」だということだ。

これほどの大陥没だから、浸食・崩壊のスピードも相当なものであったのだろう。

カルデラ内を流れる湯川谷は、下流常願寺川に合わさるが、 繰り返される斜面崩壊によって度々大規模な土石流が引き起こされ、 下流富山平野に甚大な被害をもたらしてきたという。 このため湯川谷では120年以上も前から砂防工事が続けられてきた。

立山カルデラの中にはかつて「立山温泉」があり、そこからザラ峠への登山道もあったようだが、 1969年の台風による大雨で崩れ、現在は営業していない。登山道は廃道になっている。

実際、カルデラ内は現在も工事関係者以外は立ち入り禁止のエリアとなっている。

さて、獅子岳の登りに取り掛かる。

獅子岳

登り始めの五色ヶ原方面見返し

なかなかの急登だ

五色ヶ原を何度も振り返る。この高原こそ溶岩台地だ。 溶岩と火砕流の積層断面が見て取れる。

もう一度見返し

ザラ峠見下ろし

空気は相当に湿り気を含んでいる

山頂までまだ大分ある

五色ヶ原見返し

鷲岳と鳶山

花の終わったチングルマの綿毛が、朝露に濡れている。

足元の植生

急登が終わり斜度が緩む

山頂までもう少し

AM6:56、獅子岳に到着する。

獅子岳山頂標識

辿ってきた道

紫色の花

獅子岳を出発しタルベへ下る。

東斜面は氷河地形のカールだ

カールのトラバース

下方へは急峻な斜面が続いている

鬼岳への登り

登山道は鬼岳東斜面を斜上するトラバースになる。

鬼岳東尾根上に到着
尾根上には朽ちかけた標識。「鬼岳東面」とある。

龍王岳が見えてくる

濃霧の際、登山者が迷わぬようペンキが打たれている。

鬼岳から次のカールへ

龍王岳への登り途中だろうか。

鬼岳見返し

龍王岳西斜面

尾根上まで出ると、雲の湧き立つ中、立山方面が見えてくる。

立山連峰を視界に捉える

龍王岳見返し。北東面は険しい断崖だ。

頂上に登山者が一人見える

AM8:31、富山大の立山研究所の建屋前に到着。その先はもう室堂だ。

富山大学立山研究所建屋

一ノ越分岐標識には、浄土山・室堂平の文字が見える。

一ノ越分岐

浄土山

別山とその左奥に剱岳

真砂岳西尾根方面か

池を廻り込む

AM8:50、浄土山到着。標高2,831Mだ。

研究所見返し

おそらくは日本最北の3000M峰群。

雄山・大汝山・富士ノ折立

奥に針ノ木岳

分岐からちょっと寄り道して・・・

インカ帝国遺跡群

奥大日岳

室堂へ下りよう・・。

天狗平方面

浄土山から下り始めてまもなく、左手に今朝までいた五色ヶ原高原が見渡せるようになった。

五色ヶ原
山荘の赤い屋根もよく見えている。

そして奥には薬師岳

反対側には奥大日岳

この山旅もまもなく終わる

降りていくと、下からビシッと決めたカッコいい女子が登ってくる。自分と同じ大荷物を背負っている。

お互いすれ違いざまに「こんにちわ」。「どこから来たんですか?」と言われたので、 新穂高から笠新道を上がって、笠ヶ岳からここまでカクカクシカジカで5日かけて歩いて来た、というと

「読売新道で来たの?!」

と言って、ずいぶん感心された。

浄土山からの下り

彼女はこれから薬師方面へ行くという。天気が少し心配だ。 なんだかんだで10分くらい立ち話しをした後、「気を付けて」と言って別れた。

そうか、今年の長期山行ももうすぐ終わるのか・・・。

人間界を見下ろす。

室堂ターミナルとみくりが池
みくりが池の奥には地獄谷の噴気も見える。 雄山など3000M峰の立山三山はいずれも火山ではないが、地獄谷は言うに及ばずみくりが池も火口跡に水が溜まったものだ。

AM9:53、室堂平に到着。人でごった返している。

室堂ターミナル

ここからアルペンルートで人里へ帰る。 自分の足でなく、黒部ダムが作る電気の動力で。

黒部ダム到着

黒部川下流方向。下ノ廊下へと続いてゆく。

雨のせいか水は少し濁り気味だ

大タテガビン

何度見ても、このダムは巨大なコンクリートの塊だ。

ふと、上流方向を見返す。

赤牛岳は厚い雲に覆われている。 二日前にこの湖を見下ろした白いテラスも、赤い山々も、水気を多く含んだ雲にすっぽりと覆われていた。

旅の終わり

最終日、六日目の稿、了。