再び南アルプス南部縦走へ 2026年夏 <第五日目>

<2026.8.15. 第五日目>

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悪沢岳 夜明け
最終日だ。

当初計画を見直し、本日中に荒川岳を経て椹島へ下り東京へ帰る。

ルートを確認する。

<第五日目 ルート図>
 荒川小屋⇒荒川中岳⇒悪沢岳⇒千枚岳⇒千枚小屋⇒椹島⇒畑薙⇒東京

AM3:17、出発する。

荒川小屋を出発
今日中に家に着くためには、畑薙から1日1便の「しずてつジャストライン 南アルプス登山線」に乗らなければならない。

 畑薙夏期臨時駐車場14:30発 ⇒ 着17:50静岡駅

※2026年度は7/16~8/16までの1か月間のみだった。8/15は終了1日前の便となる。

これに連絡するのは、「特殊東海フォレスト 送迎バス」で、

 椹島ロッジ13:00発 ⇒ 着14:10畑薙夏期臨時駐車場

この1本のみだ(ほかに椹島6:10発、10:30発の1日3便)。

椹島までの登山地図のコースタイムを足し算すると約10時間(休憩時間ゼロとして)。 小屋を3時に出ればちょうど13時に着く計算だが、 休憩を入れても、まあ、9時間あれば下りられるだろう。

今日も暗闇をヘッデンで登り始める。

そして今日も朝一の登りということで、複数のパーティががピエールさんを抜いていく。 仕方のないことだが、こんちくしょー、しんどいぞ。

でも着いた。 荒川前岳・中岳分岐到着はAM4:49、約1時間半かかった。

おお、雲間に富士が見えるな
荒川中岳へ向け登り始める
荒川前岳を振り返る。今回は寄らなかった(次回にとっておくぞ)。
荒川前岳(3068M)_頂上の標柱が見えている
中岳山頂標識が見えてきた
荒川中岳(3084M)到着、AM4:58だ
まだ夜明け前。

正面に悪沢岳が見えるがまだ雲に隠れている。 とりあえず中岳避難小屋へ向かう。

小屋に入ると、小屋番殿に「いきなりガラガラっとは無いでしょう、泊り客がいたら迷惑ですよね」と言われてしまった。 確かに戸を開けるとすぐ宿泊スペースだ。4~5人横になれる程度の広さがある。

こっちはわからなかった訳だが、申し訳ないですと謝った。 そのあと「少し休憩して何か食べたりしてもいいですか?」と問うと、 「まあいいでしょう、今日は誰もいないので」と言ってくれた。 寒かったのでこれは助かった。

休憩後に外に出ると、夜明けの絶景が待っていた。

主峰、悪沢岳(3141M)
富士山!
南アルプス北部の展望
富士山と悪沢岳
この景色を心にとどめておこう。そしてまた来よう、ここへ。
AM5:27、避難小屋を出発する
富士山を右手に見ながら
悪沢岳へ進むぞ
左後方に伊那盆地と木曽の山々、中央奥に乗鞍が見えているのか
そして南アルプス北部を見るのだが、山座同定がちょっとわからないが、おそらく・・・
南ア北部の山々
私の見立てだが、いかがであろうか・・・。 この荒川岳から、板谷岳・小河内岳・三伏峠・塩見岳、そして間ノ岳・北岳を経て広河原へ。 今回は叶わなかったが、また来よう。そして仙塩尾根を抜けどこまでも縦走しよう、必ず。

右後方を見れば、おお。

右後方は赤石岳 昨日はあまり見えなかった
赤石岳を中央に、右に中盛丸山、左奥に上河内岳、さらに奥は大無間岳か
傾斜の緩む場所まで降りてきた。
荒川中岳を振り返る_避難小屋がよく見えている
前方、悪沢岳が近づいてくる
ズームする
尾根上の最低コルを見下ろす
ピークは雲に隠れている
この岩壁の険しさよ
見返す赤石岳が大きい
見返す荒川中岳
右手斜面を彩るのは、数々の種類の高山の花々・・ 花の南アルプス。花の百名山だ。

最低コルまで来た。

下降してきた岩場を振り返る
AM6:00をまわった。

前方岩稜帯へ取り付き登攀開始する。

岩場の登攀_着実な三点支持にて
登攀途中から。
間ノ岳
昇る太陽に向けて
着いた。
悪沢岳山頂到着
日本百名山悪沢岳(3141M)到着はAM6:36。コルから35分くらいで登って来た。いいペースで来れた。 そしてここが、本山行の最高標高点となる。

恒例の記念撮影。

何だこの顔っ
途中まで晴れていたが、山頂は残念ながらガスが架かってしまった。

しばらく留まるも、晴れそうもない。

AM6:44、山頂を後に
椹島まではほぼ下り一辺倒だ。

悪沢岳標高が3141M、椹島は1123Mなので、その標高差実に2000M以上を一気に下る。 これはこれでしんどいが、降りなきゃ帰れない。

まずは丸山、そして千枚岳、さらに千枚小屋へと下ってゆく。

下り初めは岩場が続く
山頂振り返り
先ほどまでくっきりと見えていた赤石岳にも雲がかかり出した
だいぶ雲が出てきてしまったが、前方に丸山が見えてきた。
山頂標識とその前に立つ登山者が一人見える
丸山山頂へ
AM7:10、丸山到着 標高3032Mだ
振り返る悪沢岳山頂には雲がかかるが、
出発するころにはまた晴れ出した。
降り始めて丸山を振り返る
絶景を見下ろしながら緩やかに下ってゆく
気分は最高だ。最高の景色だ。
再び岩稜帯へ
千枚岳へと続く岩場の痩せ尾根地帯へと入って行くが、 ここは花の百名山だ。
谷へと落ち込んでゆく南斜面は、
花一面だ
前方、千枚岳にかけては危険な岩稜帯が連続する
振り返る
岩の前まで来た
これを登るのだが、
何という花だろうか・・
険しい岩場ほど、名も知らぬ美しい花々が音も無く咲き誇る・・
下の方まで、ずっと
同じ種類のように見えるが、これは花弁がピンク色だ
亜種であろうか
美しいとしか言いようがない。
岩を越えてゆく
岩場の途中にもそこかしこに花々が咲く。全部撮影したくなるが、これでは滑落してしまう。
一つ岩場を越えると次がある
今度はハシゴ付きだ。
そしてそこも花々が溢れる
ハシゴ岩も越えた。越えたらまた次だ。
前方手前をいったん下り、右から巻くように登る
大きな岩峰だ。右の稜線を行く登山者がとても小さく見える。

登りきると、そこが千枚岳だった。

AM8:00、千枚岳(2880M)到着
山頂標柱のバックに、悪沢岳と丸山が見える。
悪沢岳山頂方向 右に丸山
赤石岳とその奥に重なるように聖岳_いずれも雲がかかる
そして大聖寺平から荒川小屋。
トラバース道と、荒川小屋もはっきり見える
さらば、山々よ。

またきっと会いに来る。

千枚岳をAM8:08出発。千枚小屋へ向け、駆け下りるように下る。

途中、二軒小屋への分岐がある
二軒小屋はしかし、現在営業していない。

2025年から無期限の休業となり、テン場や水場・トイレの利用も禁止されているようだ。 南ア最深部への山行に、一度泊まってみたいと思っていたが、当分叶わぬようだ。

千枚小屋到着、AM8:29だ。
ここで休憩。行動食をとり、エネルギーを補給する。

7~8分の休憩ですぐに出発。

美しいしらびその森を駆け抜ける
AM8:50、駒鳥池
池には寄らなかったな・・・
AM9:20、見晴台到着
登山道左手に登ると、
小赤石岳方向・・・雲が取れないね
実は先ほど通過した駒鳥池の少し上まで、なんと林道が通っている。この見晴台は林道の真横にある。 もちろん一般車両は通れないが、この険しい尾根筋によくもまあ標高2480M圏まで林道を通したものだと、驚いてしまう。
見晴台の真横を通る林道
少し休憩してから、下山再開。
AM9:27、「蕨段」というところ
確かにワラビの葉が青々と茂っている。
ここは窪地になっている
AM9:47、清水平到着
ここは名前の通り水場だ。給水しておく。
AM10:16、いったん林道と交差する
林道は右手へ。

登山道は少し登り返し、「小石下(1587M)」という尾根上のピークを通過する。 ここを通過すると急下りだ。

120Mくらい転がりそうな斜面を下りると、再び林道と交差。

林道交差点(1460M圏)
さらに急下りを100Mほど下るといったん傾斜が緩んでフラットに、さらに登りかかる。

ここまで1700M以上を下って来て、いい加減ウンザリしているところへ、 何故いまさらまた登りに? すると、刺々しい岩場が出てきた。

「岩頭見晴」と言うところ
ステゴザウルスの背中のような岩登りになる。長距離の下りの後でこれは辛い。
岩場が終わると鉄塔下に出た
AM11:10だ。

ここで雨が降ってくるという。 あとちょっとで椹島なのに、勘弁してくれよ~。

本降りになって来たので、仕方なく雨具を出して着る。

鉄塔を3つぐらい過ぎると、またしても急下り。 標高差250M以上を転がるように下るが、ついに大井川の川音が激しく、大きく聞こえてきた。

ついに吊り橋を見下ろすところまで下りてきた
長い長い、標高差2000Mの尾根の終わりだ。

そしてそれはこの山行の終わりでもある。

吊り橋をゆく登山者
雨に濡れる吊り橋を渡る。
そうして、私も
渡り終えての振り返り
舗装路に出る。ここから20分ほどで椹島だ。

AM12:07、椹島に到着。雨はあがっていた。

椹島ロッジ奥の鳥居に到着

バスの受付をし、13:00発の送迎バスで畑薙へ、畑薙から4:30発のジャストラインで静岡へ。 静岡発18時台の新幹線で東京へ、そこから自宅へ。自宅に着いたのは21時前だった。

疲労度合いは甚だしいが、けがも無く歩いてこられた。 頑張った自分の足に感謝しよう。 南アルプス南部縦走の稿、了。

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再び南アルプス南部縦走へ 2026年夏 <第四日目>

<2026.8.13. 第四日目>

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大聖寺平から荒川小屋へのトラバース道を遠望す
朝(深夜)1:40起床。 昨日同様の撤収作業の後、パンなどの朝食をとる。

今日は聖岳・赤石岳の3000M峰百名山二座を登る、UP/DNの厳しいコースだ。

本日のルートを確認しておく。

<第四日目ルート図>
聖平小屋(2270M)⇒前聖岳(3013M)⇒兎岳(2800M)⇒小兎岳⇒中盛丸山(2807M)⇒百閒洞山の家(2460M)⇒百閒平⇒赤石岳(3120M)⇒小赤石岳(3081M)⇒大聖寺平⇒荒川小屋(2640M)

小屋から前聖までの約750Mの登り、百閒洞山の家から赤石岳までの約700M近い登りに加え、 この二つの百名山の間に、兎岳、中盛丸山の2800M峰が二座も挟まっている。

累積標高は実に登り約1900M、下り約1550M。 また地形図上で計測した水平到達距離約17.5kmと、本山行で最も長距離を進まなければならない。

AM3:07、出発する。

聖平小屋を出発_昨年に引き続きお世話になった

今日も暗いうちから行動開始だ。 風もあるが進めないような強風ではない。暗いから天気はどうなるかまだ分からないが、 暗闇をヘッデンで登ってゆく。

例によって朝の登りは特にペースが悪い。 若いモンには次々抜かれ、おっさんパーティに抜かれ、ついには同世代と思しき女性にも追いつかれてしまう。

この方は、昨日の昼に小屋の食堂で聞こえてきた話では(暇でしょうがなかったので)、「百名山を登っていてあと何座目で云々」と言われていた方だ。 聖岳で何座目ですか?と聞くと、なんと99座目だという。 ではいよいよあと1座はどの山を残しているのかと問うと、幌尻岳(北海道日高山脈、2052M)だと。 健脚なのだろうな・・・。

彼女は聖岳をピストンで登り小屋に戻ってから下山するという。 荷物も小さめのリュック1つだが、私を追い抜かず、暗くて心細いので私の後を来るという。 僕は登りは遅いんですよ、と断ったが丁度いいペースだというので、 山頂まで御一緒させてもらった。

途中森林限界を越え、「小聖岳(2662M)」を越えるころには少しだけ空が明るくなり出した。 去年はこの小聖手前で爆風で断念したのだ。

さらに黙々と登り続けること1時間以上、やっとの事で聖岳山頂に到着した。 AM5:24、前聖岳山頂(3013M)だ。

百名山女史に写真を撮って頂く・・・何だこの顔
残念ながら山頂は雲が覆い、展望は得られなかった。

前聖から北東に20分ほど進めば、奥聖岳(2979M)があるが、 聖岳では「前聖」の方が最高峰なので、寄らずに進むことにする。

山頂を後にする
百名山の君とはここでお別れ。何も見えないのでそそくさと下山して行かれた。

AM5:33、出発する。西北西方向、兎岳へ。

まず兎岳手前のコルまでおよそ400M下る。

聖山頂直下の下降
ここはいやらしい岩稜下りが続き危険だと、聖平小屋の兄ちゃんにさんざん言われて来た。

やがて雲が取れてくると、前方に大きな山塊が見えてくる。 これから登る「兎さん」だ。

おおお、晴れてきた
・・・が、すぐまた雲がかかる。
兎の右奥は百閒平か
兎岳から西へ延びる尾根の先は中央アルプス南部だろうか・・
このヘリをずっと降りてきたわけだが・・・
この先も痩せ尾根が続く。
踏み外すわけにはいかない尾根筋ルート
急な岩場下りになる。
有名な赤チャートの露頭
前方のコルを覗き込む。 南アルプスは正式名称を「赤石山脈」という。 この名の由来となった赤い岩壁がすぐ左手に見えている。

この赤い石はチャートという堆積岩だ。 太平洋のかなたの深海底に数億年前に静かに厚く堆積した放散虫などのプランクトンが 長い年月をかけて大きな圧力を受け岩石となった。 とても硬い岩石である。 それがプレートの移動に伴い日本列島までやって来て乗り上げ、大山脈を形成している。

気の遠くなるような話だが、現在でもこのプレートの力が南アルプスを年に数cmものスピードで押し上げているという。 こうして南アルプスでは、そこかしこで赤チャートの露頭が見られる。

コルまで降りてきた。ヤセ尾根の険しいルートだ。

赤い岩壁を振り返る
コルの手前辺りのルートも際どい!
右手を見やれば、雲間に赤石か・・ 傘雲かかる赤石岳(3120M)が姿を現す。 あの赤石を越え、さらにその先の荒川岳のふもとまで進むのか、今日は。

コルを出発し、登り返す。

南西側にも深い峡谷
岩肌には可憐な花々がびっしりと
ゼイゼイ言いながら30分程登り返して振り返る。
聖岳_赤壁の上部は山頂まで厚い雲の中だ
さらに10分ほど登ると、
傾斜が緩みだした
AM7:30、標柱が現れる。
兎岳避難小屋分岐
標柱から10Mぐらい登ると、左手50M程先にコンクリートの構造物が見える。
兎岳避難小屋
今日の行程が長いので、二日目にこの避難小屋まで進んで1泊することも計画段階では考えていた。 だが小屋の屋根が落ちていて、使えない状態だと聞いていたのでやめておいた。 小屋の中にテントを張れば1人分は泊まれる、と言った記事もあったが、 暗くなってからさっきの標柱に到着しても、小屋を探せなかったのではないか・・・? 小屋への分岐は明瞭ではなかった。

ここからまだ登りが続く。

山頂方向を見上げる_どれが兎だ?
なかなかペースは上がらないが、 AM7:44、兎岳到着。
兎岳(2800M)
休憩も入れてだいたいコースタイム通り。 自分としては上出来だ。

聖岳方向を振り返る。

険しさが際立つ
これから進むべき方向。
中盛丸山・大沢岳方面
兎岳を出発してコルまで降りてきた。
コルから見る中盛丸山
兎岳を振り返る
兎の左側に聖岳の赤い岩壁が見えている。
ついに聖岳はその全容を垣間見せることはなかった
コルを出発する。
小兎岳へ
登りながら左前方を見れば、中盛丸山の山頂にはっきりとした傘雲が見えている。
傘雲
小兎の手前の「小ピーク」から小兎岳山頂、その右手奥には雲に覆われる赤石を見る。
この小ピークを「孫兎」と呼ぶかどうかは知らない
聖を振り返るが、相変わらず山頂付近は雲の中だ。
聖の右手奥に、おそらくは上河内岳
小兎岳到着。AM8:28。
山頂標識(2725M圏)
一服しよう。
兎岳へ向かう登山者ら
これから進むべき中盛丸山
小兎を出て中盛丸山との間のコルまで降りる。
山頂までのルートが見えている
・・これはキツイ登りだ(途中写真はあまり無い・・)。 やっと着いたか・・・ AM9:26、中盛丸山山頂到着。
中盛丸山(2807M)
正面に大沢岳が見えている。

右手下方をズームすると、茶色い土がひな壇に造成されている。百閒洞のテン場と思われる。 先へ進もう。

大沢岳
コルまで来た
大沢岳には寄らず、百閒洞小屋へのトラバースルートを行く。
コルから少し登り返したところに分岐標識
中盛丸山を振り返る_いや~きつかった
分岐を出発。
トラバースルートを進みながら振り返り
小屋までの長い長いトラバースだ。

やがて下の方に、ついに小屋の赤屋根が見えてくる。

百閒洞山の家がついに
そしてその奥には荒川岳も。

ズームすれば近いように見えるのだが、なかなか着かないものだ。

ヒダのような小尾根をいくつも乗り越えてゆく
その右手には百閒平への、これまたキツそうな登り斜面が見えている。 だいぶ晴れ間が出てきた。
AM10:22、百閒洞山の家到着
自分の計画表の予定時間を1時間半近く短縮して、なんとかここまでたどり着いた。

お昼にしよう。 ブドウパン、デーツなどのドライフルーツ、チョコボール、ミックスナッツ、スティック羊羹まで、ごちゃまぜではあるがエネルギーを補給する。 高カロリーですぐにエネルギーになる糖分の摂取なのだが、栄養学的にはどうか。

AM10:34、百閒洞山の家を出て、いよいよ赤石岳へ向かう。

小屋を出発
この小屋はすぐ脇を沢が流れていて、水が豊富だ。
小屋脇に清冽な沢
黒百合も
沢を辿って登ってゆくと右手にテン場が見えてくる
ここから右上方へ登り上げる。テン場の間を抜けての急登だ。

草付きの急登をゼイヒイ言いながら登ってゆくと岩場になる。

岩場の標柱
百閒平まで、とにかく岩場をワシワシ登る
少し登ると、おお、ついに正面に赤石!まだ雲は多いが。
赤石岳の全貌
振り返れば朝から越えてきた山々。
右に中盛丸山、左に兎・小兎
大沢岳_右側に山頂から百閒洞への下降ルートがよく見える
北に目を転ずれば、かなたの高峰は?
塩見岳?よくわからない
西を見れば、
伊那盆地と中央アルプス(木曽山脈)
しばらく登るとふいに傾斜が緩み、広く平らな地形に。
百閒平だ
この少し前、前方からの登山者とすれ違いざまに、

「先を歩く登山者(赤石岳方向へ)が、成獣の大きな熊が登山道を横切るのを目撃したそうだ」

との情報を得た。

おいおいおい。どこにいるんだよ。 実は百閒洞山の家から、おじさんたち2人パーティとなんとなく一緒になって歩いて来た。 一人よりはまだしも心強い。

「今からこの【熊よけホーン】を鳴らして行きます」と決意表明すると、 お二人の内一人が、「私、クマスプレー持って来たんですが・・」というので、

「それでは、近接戦闘になったらお願いします!」

これで役割分担は確定した。

広々とした百閒平を進む。熊の恐怖におびえながら。強がりして大声出して。

熊よけホーンも鳴らしながら行く_4種類のけたたましい音が出る
渉ってきて振り返る。
草原のように見えるがそうではない
ハイマツ帯なのだ
成獣の熊でも、いくらでも隠れる場所はある。

展望はよろしい。

木曽方面(北西)だから小渋川渓谷だろうか
惜しむらくは二つの百名山が雲の中だ。
聖岳と兎岳_ついに聖は姿を見せてくれなかった
さて、いよいよ赤石岳だ。
この先の小ピークを越えれば大斜面下のコルになる
そして大斜面トラバースが待ち受ける
コル到着はPM12:10、正午をまわった。

大斜面にとりかかる。

15分程で標柱に到着_ここから山頂まで1時間だ
険しい登りが始まる
疑似ピークばっかりで、まだか、まだなのか。
避難小屋が見えた!
小屋には寄らなかった。
あっちだ、山頂は!
そしてPM13:16、ついに・・・
赤石岳(3120M)
・・・到着だ。

ここまで来たぞ、ついに。本日二座目の百名山だぞ。

ただし雲の中という・・・。

う~残念だぞ。でも記念写真は撮ってもらうぞ。

指さし確認カクイーな~・・・でも何だこの顔
勇ましい雄姿・・・の足元には一等三角点。その後ろにはうっすらと赤石岳避難小屋。

ちなみに、国土地理院が設置した国土基準点である「一等三角点」は、全国に970余りあるそうだ。 山頂などに設置されているイメージだが、市街地の中にもある。

意外なことに南アルプスには、この赤石岳や甲斐駒ヶ岳の他2~3カ所にあるのだが(大無間山・黒法師岳など訪れる者もほとんど無い山)、 全国第二位の高峰である北岳や、三位の間ノ岳には置かれていない。 百名山の聖岳や荒川岳は「三等三角点」だ。 それどころか富士山ですら「二等三角点」なのである。

その『赤石岳一等三角点』がこのような状態でよいのか、という気もするが、 いずれにしろ、それはここにある・・・。

さて、景色も見えないので下山することにした。

PM13:30頃、赤石岳を出発する
上写真は少し下ってから前方を撮影したものか・・。

椹島への分岐を過ぎて少し登り返せば、今度は「小・赤石岳(3081M)」だ。

見ると、岩の上に雷鳥がいる
振り返っても赤石岳山頂の雲は晴れるそぶりも無い
前方は非対称形状の尾根になっており、右手はスッパリ切れ落ちている
百閒平方面
左手は小渋川方面_難路と聞く(林道崩壊著しく通過者僅少)
ん?晴れてきたのか・・
おっ、おっ
巨大山塊、赤石岳が全貌を現し始めた。
山頂の避難小屋も見えてきたぞ

聖岳も巨大な山容だが、この位置からはちょうど赤石岳の真後ろなのか、見えない。

完全な姿まであと一歩の赤石岳
もう少しだ、頑張れ!
山にピンと合わせろよ、山に!
PM14:04、小赤石岳を出発する。
100M程進んで振り返ると、これだ。
完全な赤石岳だ。
さらばだ、赤石岳よ
さらばだ、赤石へ続く山並みよ
大聖寺平へ下りよう。
尾根の右側はホントにスッパリと切れ落ちている
そしてあっという間に雲がかかり出す
おっかないから、端を避けて歩こう・・・
この先は急下降の予感・・
大聖寺平へ!
大聖寺平へ続く、まるで丘陵のようななだらかな尾根
上の写真は小明石岳の北、P3030を過ぎたあたりから、見下ろしてズームしている。 丘陵のように見える場所は、すぐ近くに見えてとても遠い。 標高差で200M以上ある。 そこから大聖寺平分岐のあるコルまでも100M以上だ。

さらにズームのまま右へパンすると、見えたぞ!大聖寺平とその先へ延びる一直線のトラバース道が。 そしてトラバース道のずっと先には赤茶色の屋根! 荒川小屋が見えている!

さらに進むと雲は完全にとれ、荒川前岳・荒川中岳が完全に姿を現した。 なんという巨大な山塊・・・。

南西面は大崩壊斜面だ。

荒川大崩壊地
何という険しさ、なんという荒々しさであろう。
目を奪われ、圧倒され、立ち尽くす
少し東へ目を転ずれば、この荒川三山の主峰、荒川東岳=悪沢岳(3141M)だ。
荒川本谷と悪沢岳
悪沢岳山頂は雲に覆われたままだ。

分岐が近づいて来たところで振り返る。

P3030方向振り返り
大聖寺平到着。PM14:47だ。
大聖寺平標柱
分岐から見て前方左、北西へと続く尾根
板谷岳などを経て、三伏・塩見へと続く尾根だ
明日こちらへ進めないのには、一抹の寂しさはあるが、
今は最終目的、荒川小屋へ進もう・・
小屋へのトラバースも、近いようでなかなか終わらない。 30分近くかかったが、それでもついに、
右下方に小屋が見える
PM15:18、荒川小屋に到着した。 計画表では18時前に到着の予定だったから、まあ、よくやった。 聖平小屋からの行動時間は12時間ちょうどだった。

小屋は予想以上の登山客でにぎわっていた。 これほどの人数がこの小屋にいるのはもちろん、TJARの通過ポイントだからだ。

小赤石岳を過ぎ、P3030から大聖寺平への下降中、 急斜面を登ってくるTJAR選手とすれ違った。

写真中央の白いウエアの方がランナーだ
ゼッケンの他、誰かに書いてもらったメッセージのようなものを背負っている。 累積標高27000M、日本海から太平洋まで415kmを走破する、この過酷なレースの先頭から何番目かの選手だ。

というわけで、荒川小屋のTJARテント前には多くの人がビールなどを持って集い、レースの話題で盛り上がっている。 選手が通れば大声援を送る。

一方こちらはヘトヘトで小屋にたどり着いた。 申し訳ないがレースどころではなかった。

今日は8月13日。これで明日14日中に帰宅するめどが立った。 椹島から畑薙までバスに乗るには、「(株)特殊東海フォレスト」の系列施設への宿泊が条件なので、 この荒川小屋も小屋泊りとしなければならない(聖平小屋は系列の小屋でないため)。 テン泊縦走の予定が、これで一度もテントを使わずに下山することになった。

まあいいさ。途中熊に会うことも無かったのだ。

明日に備え飯を食って早く寝よう。 明日も早起きになる。 第四日目の稿、了。

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再び南アルプス南部縦走へ 2026年夏 <第二日目、そして・・・>

<2026.8.11. 第二日目>

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P2561から見る聖岳(2025年撮影)
今日は茶臼小屋を経由して聖平まで行く。 本日のルートを確認しておく。
第二日目ルート図
今日からは本格的な登り始めとなる。しかも尾根上まで約1400M、急登の連続する険しいルートだ。

登り終えて尾根筋に出れば、聖平まではUP/DNはあるものの、比較的緩やかな稜線歩きだ。 ただし距離はそれなりにある。

朝3時に起きて軽く朝食を取り、荷物をまとめてAM4:20、出発する。

お世話になったウソッコ小屋_今回は自分一人だけだった
この時期の日の出時刻はおよそAM5時だ。 辺りはまだ暗いがわずかに空が白み始めるころだ。

暗い中を水場の上にかかる鉄橋を渡りきると、いきなりの急登が始まる。 よじ登るような急登をジグザグに、一歩一歩と言う感じで登り続ける。

やがて夜が明けてきた。

しこたまな急登を黙々と1時間、標高で300Mを登り続けて、「中ノ段」と言うところに着く。 写真も撮っていない。

ペースは上がらず、息は上がりっぱなしで、既に疲労困憊だ。

そこらへんに腰掛けて休む。そうすると、そら始まった。 コクン・コクンとうたた寝が。

熊も出ているとの報道もあるのに、「登山道で寝る」を、毎度毎度よくやるものだ。

さらに一時間近く急登をのぼると尾根を乗越すような形となり、「横窪沢小屋」へ少し下る。 乗越すまでもニ度、三度と居眠っては、誰かが通過するタイミングでハッと目を覚まし、・・・の繰り返し。

AM6:50、横窪澤小屋到着(標高1620M圏)
中ノ段から標高差150M程なのに、寝てばかりいるから時間がかかるのだ。

この小屋は真横に沢があり、水が豊富に出ている。

ベンチに座り行動食を食べ、水分補給する。 下山する複数のパーティなどで、この無人の小屋周りは結構な人口密度になっていた。

AM7:00、出発する。

小屋前を出発、登り再開だ

この上の茶臼小屋まで、展望ベンチ(標高1932M)、樺段(同2200M圏)と節目があるが、 登りがきつくてちょくちょく道端に座って休憩してしまい、 そのたびに眠くてどうしようもなくなる。

ついに開き直って、しっかり寝てしまえ、となる。

「樺段」と言うところ(AM9:00頃)

・・・こんなことで6日間も縦走登山などできるのかね?

AM9:59、茶臼小屋到着。標高2410M圏だ。

茶臼小屋到着
パンなどの昼ごはんを食べる。この小屋も水は豊富だ。尾根の縦走に向け水を補給させてもらう。

小屋のすぐ脇に、関係者の方(ご主人だろうか・・・)がテントを設営している。 聞けば「TJAR=トランス・ジャパン・アルプス・レース」の通過ポイントの受付用テントだという。

TAJRのテントを設営中
静岡からのジャストラインのバスのガイドさんが、このTJARの話を盛んにしていた。

今年は2年に一度開催されるその年に当たるとのことで、 これから登るのであれば、ランナーと途中ですれ違うだろうと言っていた。

そーか、それで何となく人が多いのか、この山域に。

AM10:16、出発する。

尾根上の下降点へ向けて
AM10:34、やっと尾根上に到着だ。
下降点到着
ここまで標高差約1400M。「お疲れさん」と、ひとまず自分に言っておこう。

左に登れば茶臼岳だが、光岳と茶臼岳はまた別の機会にとっておくことにする。

ということで、昨年同様このまま聖平へ向け北上する。

聖に向け出発だ
P2555方向へ登りかけるが、やがて伊那谷側を巻くように斜めに下ってゆく。
振り返り撮影か_雲が上がってくる
天気ははっきりしない。横窪澤の辺りでは晴れていたのだが、全般に雲が厚くて、茶臼岳も上河内岳も見えない。去年もそうだった。

今年、まさに明日・明後日にかけて台風15号が最接近しそうな天気予報だ。 暴風や雷雨など南アルプス南部への台風の影響が大きくなれば、この縦走計画自体が危うくなってしまう。 聖小屋で十分な情報収集をしなければ・・。

やがて今年も来ました、「亀甲状土のある窪地」。

ひろい窪地に出る
登山地図にそう書いてあるんだから仕方がない。
「亀甲状土」だ
二重稜線となった間の部分に、水が溜まった履歴がこの亀甲状土なのだろう。
亀甲状土が終わると・・
緩やかな登りの樹林帯に入る。この辺りは登山地図にも「南アルプス南部でも特に美しい尾根」と表記されている。

そのうちに岩稜帯も出てくる。 これが登山地図にある「奇岩竹内門」とやらか。

奇岩竹内門?
・・何故、タケウチモン・・?
これも奇岩だが・・(2025撮影)

奇岩帯を越え、緩やかな稜線を上河内岳に向けて登ってゆく。

一瞬の雲の晴れ間に上河内岳(2803M)が見える

右手の深い谷は上河内沢方面か
やがて「上河内岳の肩」に着く。AM12時ちょうどだ。
上河内岳ノ肩
正面に上河内岳だが、・・・
上河内岳(2803M)
・・・去年も登ったし、今年はいっか・・・

この、根性ナシがっ!

根性ナシで結構。だってしんどいし(もうピークハンターとは言わせぬ)。

・・・とにかく先へ進むことにした。

肩からの下り斜面は、いわゆる「二重山稜」だ。

二重山稜を振り返り(2025年撮影)

やがて南岳に向け緩やかに登り返すが、片側が切れ落ちている場所もある。 また地図では、この辺りに「お花畑」の表記がある。

(2025年撮影)
(2025年撮影)
(2025年撮影)
(2025年撮影)

南岳(2702M)。到着はPM12:43だった。

南岳の標柱

さらに下り、P2561の手前南西面も、大規模な崩壊地のヘリを通過する。

ガレ場のヘリ_通過注意だ
P2561を過ぎて少し下った先に、登山地図に「岩頭」の記載がある展望ポイントに至る。 昨年の写真だが、聖がよく見えた。
「岩頭」より聖平方面の展望(2025年撮影)
あとは下るだけだ(上写真点線のように下る)。

すぐ着くように見えて、これが結構長い・・・。

飽きてきた頃に、ようやく聖平が見えてくる。 PM13:59、ようやく聖平の分岐まで来た。

聖平到着
分岐から小屋方向(デッキが整備されている)
そして、今年も来ましたよ。 聖平小屋到着は、PM14:03。予定到着時間から1時間弱ほど挽回していた。
小屋の入り口から見たテン場
さっそく天泊の受付をして入口のベンチで一休みした後、明日の気象情報を小屋番殿に伺うことにした。 それによると・・・

「今夜半(明日の早朝)AM2時から雨が降り始め、風雨ともに強まる」 「変則的な動きを続けてきた台風15号は九十九里の沖にあって、今夜関東からこの南アルプス付近を通過し、明日には岐阜方面へ進む・・・」

なあんですとおお~?

快晴ではないけれど、この時間になって陽が差してきたじゃないですか。 風も無風に近いじゃないですか。 台風って普通は西から東へ進むもんでしょ。

小屋番のイケメン兄さんにいくら食い下がっても、スマホの予報画面は変わらない。

これは困った。 1時間以上悩み続ける。 数人の方々が天泊をあきらめ小屋どまりに変更しだした。

「・・・あのぅ、僕もテン泊やめて、小屋どまりお願いしていいスかぁ?」

この根性ナシがっ!

ーだってテント無駄に濡らして重くしたくないしー

やがて聖の反対側の山の斜面にきれいな夕日が差してきた。 風はまるで無い。

これで本当に今夜から降るのかね。

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<2026.8.12. 第三日目>

前日早めに寝床に着き、AM01:48頃目を覚ます。

雨音が聞こえる。それなりに強く降っている。

やはり台風がこちらへ来たのか・・・

あきらめきれずにバタバタと出発準備を始める。 雨の中、濡れたままのテントを無理やりたたんでリュックに押し込むのは実にしんどいこと。 その点「根性ナシの小屋泊り」にしたから準備は楽だ。

雨具を着たりと身支度万端に整え、AM2:55頃には小屋外のベンチにリュックを運びスタンバイする。 今すぐにでも出発できる。暗闇で一人、降りしきる雨空を見上げる。

雨足は少しづつ強くなっているように見える。 無風だった昨日の夕方とは打って変わり、強風が吹いている。

だが去年のような暴風⇒爆風ではない。 去年は立っていられなかった。

・・・無理をすれば進めるのでは?

強風と豪雨の中をずぶ濡れになりながら黙々と進む自分の姿を想像してみた。 あまり楽しくない未来の姿が見える。 30分ほど様子を見たが・・・、結局今日進むのはあきらめることにした。

断念するということは、8月12日丸一日を小屋で停滞するということだ。 これで今年の縦走計画も、残念ながら見直しを余儀なくされることになったわけだ。

大型の台風15号は本当に迷走台風となった。 後に気象庁の台風進路図を見ると、東から西へ日本列島を縦断している。こんな台風がこれまであったのか・・・?

2026年台風15号の進路図(12日朝5:40付)
進路図によれば私が小屋前でイジイジしていたAM3時頃に、ちょうど南アルプスを横切っていたことになる!!!

過去天気図を見ると・・・

8/11 PM15時
8/12 AM3:00
小屋番殿が予想図を見せてくれたのと、ほぼぴしゃりと一致している・・・

「小屋で停滞」を決めてから、寝床に戻ってAM8時くらいまで寝た。 雨はずっと降っている。

明日13日は予定通り早出して荒川小屋を目指すが、明後日14日は三伏・塩見方面への北上は断念し 荒川三山から千枚小屋を経て椹島に下ることにする。 残念だが仕方がない。

夕方になると晴れ間が出てきた。 18:00頃外に出ると、ここにもTJARのバックアップ拠点のテントが設営されていた。

聖平小屋_まもなく夜のとばりが下りる
晩飯でも作るか・・・

第二日目・三日目の稿、了。

⇒第四日目へ

再び南アルプス南部縦走へ 2026年夏

夜明の悪沢岳

南アルプス南部を縦走する。

この企ては昨年2025年の夏に遡る。

8月のこの時期に、静岡県の畑薙から入山し聖・赤石・荒川・塩見・間ノ岳・北岳と縦走して山梨県の広河原に至る、 という計画であったのだが、三日目の早朝から聖岳登頂を試みるも暴風・・・というか、もう爆風が吹き荒れ、 森林限界を出たところで断念、翌日も、その翌日も雨と爆風は収まらなかった。

聖平小屋の窓(2025年8月のこと)
ちなみに爆風というのはこちら。

https://youtu.be/OCgN3oTD8oI

結局、聖平小屋に3日間も停滞したので、日程的に広河原へ抜けるのは不可能となり、聖にも登らず椹島へ下った。 これはかなり悔しいわけである。

今年はそのリベンジマッチだ。同じお盆休みのこの時期、再び南アへ向かう。 全体図と行程は以下の通りだ。

山行全体図

■第一日目 8月10日(月):東京⇒静岡⇒畑薙⇒大吊橋⇒ウソッコ沢小屋

■第二日目 8月11日(火):ウソッコ沢小屋⇒茶臼小屋⇒上河内岳分岐⇒聖平小屋

■第三日目 8月12日(水):聖平小屋⇒前聖岳⇒兎岳⇒中盛丸山⇒百閒洞山の家⇒赤石岳⇒大聖寺平⇒荒川小屋

■第四日目 8月13日(木):荒川小屋⇒荒川岳⇒悪沢岳ピストン⇒高山裏避難小屋⇒小河内岳⇒三伏峠小屋

■第五日目 8月14日(金):三伏峠小屋⇒本谷山⇒塩見小屋⇒塩見岳⇒北荒川岳⇒新蛇抜山⇒熊ノ平小屋

■第六日目 8月15日(土):熊ノ平小屋⇒三峰岳⇒間ノ岳⇒北岳⇒肩ノ小屋⇒広河原⇒甲府⇒東京

■第七日目 8月16日(日):洗濯・休息日

5泊6日の行程だが、8/16は予備日ではない。 8/17(月)の休み明けは仕事だからだ。サボる訳にはいかない。

したがって予備日は無く、一日でもずれれば予定を考え直さざるを得ない。

例によって単独行。全天泊。

三日目以降は特に長距離で、行動時間も長くなる。 だが歩き切ってみせるぞ、なんとしても。

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<8月10日(月) 第一日目>

畑薙大吊橋
連日猛暑続きで今日も朝から暑い。

自宅を6:20頃出て駅へ向かう。今回は有難いことに奥方による車での送迎付きだ。

 東京駅8:03 ⇒ 9:02静岡駅(ひかり703号)

 静岡駅10:00 ⇒ 13:20畑薙臨時駐車場(しずてつジャストライン)

畑薙まではジャストラインぐらいしか交通手段がなく、 昨年3500円だったものが、今年は5000円に値上がりしていた。

中東情勢が影響しているのだな・・・

ジャストラインのバス_値上がりはしたが、ありがたい交通手段だ
バスは臨時駐車場に早くついた。

今日はここからウソッコ沢小屋まで約3時間半。ルート図を示す。

<第一日目 ルート図>

PM13:15、出発する。

畑薙臨時駐車場の遭対協のテント
※遭対協=静岡県山岳遭難防止対策協議会

最初はロードだ。

150M下に畑薙第二ダムの湖面
15分ほどで第一ダムまで来た。
畑薙第一ダム到着
左岸に移り、20分ほど進むとゲートがある。
ゲートの建屋_管理者が常駐している
さらに40分のロードを行くと、
見えてきましたよ、大吊橋が
去年、最初に来たときにはちょっとビビりましたね。
今年はスイスイっと来たもんだ
吊橋を渡り切ったところから、いきなりガツンと急登になる(標高で100Mくらい)。

登りきると今度は右へトラバースになるが、これが危ない。 急斜面に巾15cm程の踏み跡を、踏み抜かぬようソロリソロリと進む。

落ちれば池ポチャだ。

やがて尾根筋を乗越す。ここを「ヤレヤレ峠」と言う。

ヤレヤレ峠からもトラバース気味に標高を下げていくと、やがて河原に下りるようになる。

上河内沢の河原に出る
ここからは、沢の左岸・右岸・左岸・・と、いくつかの鉄橋を越える。

さらに川沿いの結構な急斜面を高巻きのように進むところもあるが、 やがてヒョッコリと小屋が見えてくる。

なつかしいウソッコ沢小屋

小屋到着は15:47分。臨時駐車場から約2時間半で着いた。

去年も世話になったこの小屋を私は好きだ。 無人だが水場も近いし、静かでゆっくりできる。 だいいち小屋の名前が可愛らしいじゃあないか(なぜ、ウソッコ・・?)。 玄関引戸が壊れているが構うものか。

荷物を下ろし一息ついたら、水場へ向かう。 小屋から20M程斜面を下ると沢がある。 ここはちょうど、上河内沢にウソッコ沢が合わさる場所だ。

今年は渡るのをやめておいた木橋
水はいくらでも汲める。
この下に降りて滝の水を汲む
滝の上には明日渡って進む鉄橋が架かる
水をキャリーに満水にして小屋へ戻り、ゆっくり食事の支度をする。 今日はカレーだ。

食後は小屋の周りでくつろいだ後、明日のルートを確認する。 あすは長丁場だし、ここ(標高1160M)から茶臼小屋の上の下降点(尾根上:2505M)まで 標高差1350M程を登る。急登に次ぐ急登だ。

早々に寝る。

⇒第二日目へ