<第五日目>
大弛小屋(07:02)→朝日岳→金峰山→大日岩→富士見平→瑞牆山荘
五日目前半地図
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大弛峠。快晴の予感。
朝起きる頃には、もうB氏は旅立たれた。
間もなく、A氏も。
向かう方向は同じ瑞牆だし、増冨の湯あたりであえるだろうと、この時は思っている。
朝食をつくり(朝食は自前)、ご主人にお礼を言って小屋を後にする。
どーしても、7時過ぎ出発。
小屋前の斜面を下ると、峠に出る。
舗装路は山梨側からここまでで、長野側はダートになる。
駐車場脇から登山道へ入る。
朝日岳へ、登り始める。
右足の膝の痛みは相変わらずだが、晴天が励ましてくれる。
木々の間から富士。
もいっちょ、富士。
山々を従える、孤高の稜線。美しい。
そして、遥かに南アルプス。
ズームアルプス!甲斐駒か。
再び富士。
ガレ場に雪が被っている。
北に目を向ければ、浅間山が見える。
そして東には、歩いてきた峰々。
右奥から雁坂嶺、東西破風山、木賊山、甲武信ヶ岳、埼玉県最高峰の三宝山、左から右手前へ伸びるのが昨日歩んだ国師への道。中央の凹んだところが国師ノタル、その先でカミナリにあった。
今日の晴天からは想像もつかない。
本当にあったことだろうか?
08時50分、朝日岳山頂。
それと、輪っかのとれたストック。
富士にたなびく雲。
向かう先には南アルプスだ。
鉄山(左)と右に金峰山。
遠くにアルプス。五丈岩もよく見える。
八ヶ岳がよく見えてくる。
大迫力の富士。
稜線にはまだ残雪が多い。
鉄山の樹林帯を抜けると広い展望となる。
金峰頂上が近づいてきた。
五丈岩が大きく見えてくる。
金峰山山頂。10時02分だ。標高2599M。
何度でも撮りたくなる富士!
そして、五丈岩。
国師方面。だいぶ遠くなった。
八ヶ岳!
これから進む、有名なギザギザ稜線。
遠くには南アルプス。さらに西には中央アルプスも。
左は瑞牆山。右が小川山。
実は余裕があれば、4日目に甲武信から金峰小屋まで行き、5日目に八丁平から小川山へ、そこから稜線を瑞牆山へと進んで、瑞牆山から下山しようとも考えていた。
そのために地形図も準備してきた。
だが自分の体力的にも難しかったろうし、第一あの雷と吹雪では、そんなオプションは一瞬で吹っ飛んでしまった。
五丈岩の大きさが、写真ではなかなか伝わりづらいだろう。
鳥居と登山者が数名見える。
テッペンまで登る輩もいらっしゃるそうだが、自分はゴメンだ。
まだ10時30分だ。コーヒーを入れて少しゆっくりすることにする。
五丈岩の脇で神奈川から来ているという「C氏」に写真を撮ってもらう。
コーヒーカップを片手に得意満面・・・のつもり。
国師・甲武信もこれで見納め。
こちらが金峰山頂。
五丈岩のテッペンと、どっちが高いんだろう。
勇ましい姿。
手前の石だけでも巨大だ。
八ヶ岳。中央が赤岳か。
甲斐駒ヶ岳方面だと思いますが、・・・
登山道は十文字になっている。
南へ下る昇仙峡方向のルートもあるようだが、崖のようなこの斜面を行くルートがあるのですな。
五日目後半地図
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金峰を後にする。
ギザ尾根を下ってゆく。
ここから瑞牆山荘まで、標高差およそ1100Mを一気に降りる。
山頂方向見返し。
遥か下に見えるのが瑞牆山荘辺りだろうか・・・?
どんだけ下るんだよ。
ギザ尾根の先に瑞牆山も大きく見えてきた。
大日岩も見える。
五丈岩ほどでなくても、大岩が連なる。
右膝の痛みはひどいものだったが、今は降りなきゃ帰れない。
金峰小屋分岐まで来た。標高2470あたり。
登山道に雪が付いていくる。この先でアイゼンを装着する。
だいぶ下ってきた。
人気のルートなので、登山客も多い。続々と登ってくる。
千代ノ吹上というところ。
なかなか足がすくむところだ。
足下がえぐれているのか・・・
砂払ノ頭から。八ヶ岳が本当によく見える。
樹林帯に入る。美しい森だ。
樹林帯の合間から、とつぜん巨大な岩が見えてくる。
大日岩だ。
いつの間にか13時04分になっている。特に下りでは膝の痛みは増すばかりだ。
ここで金峰山頂は見納めだ。
標高2180M付近。420Mほど降りてきたこととになる。
五丈岩、そして金峰よ、ありがとう。
大日岩の左を巻くように下っていく。
ちなみに八丁平へは、大日岩の右を巻くように登る。
登山地図にはわざわざ、「岩場のトラバースが極めて危険」と書かれている。強い表現で注意を喚起しているわけだ。
13時38分、大日小屋通過。
帰りに増冨ノ湯で、ひとっ風呂浴びたい。
それには、瑞牆山荘前15時20分発のバスに乗らないと、そのあとのバスがない。
だんだん焦っってきた。
富士見小屋。14時10分だ。トイレを使わせてもらう(有料)。
大日小屋から富士見小屋までも、ここから瑞牆山荘までも結構な急下りだ。
大日岩を過ぎてから、右膝は悲鳴を上げ続けている。
しかし・・・
ついに山荘の赤屋根が見えてくる。
歩ききったぞ!
14時39分、瑞牆山荘到着。
ああ、とうとうここまで来た。
ストックを天高く突き上げる。
5日間、奥多摩駅から奥秩父主脈をとうとう歩ききった。
雲取〜笠取〜甲武信〜国師〜金峰と繋いでここまで。
家族で来ている子供だちもいたが、きょとんとしてこちらを見ている。
かまうものか。おれはやったんだ。
バスの時間まで山荘でコーヒーでもと思いカフェのテラス席へ行くと、金峰山頂で写真を撮ってもらったC氏がいるじゃないか。
お互い無事の下山を喜ぶ。
バスを待っていると、山ガールが2〜3組集まってくる。
C氏から、自分が奥多摩から来たと聞いて驚いている。
「え〜っ、東京から歩いてきたんですか?」
「ほんとにい!」
すこし得意になる。これも悪くない。
A氏やB氏はどうしただろう。この後も会えなかった。
特にA氏とは、石尾根からずっと同じ道を歩んできた。
たぶん、2本ぐらい前のバスで帰ったのだろう。自分より出発時間も、歩くペースも早かったしな・・。
このあと寄った増冨ノ湯でも見かけなかった。
なんとなく、この瑞牆山荘あたりで再開できるものと思っていたのだが。アドレスぐらい聞いておけばよかった。
このブログを見てくれないものだろうか・・。
帰りのバスは、ミツバツツジの咲き誇る美しい渓流を、韮崎まで下っていく。
やがて、南アルプスの巨大な山塊が見えてくる。
もう、しばらくどこの山にも登りたくない・・・と思いながらも、ゆれるバスのなか、心地よい疲れのなかで、次にはアルプスへ・・なとど考えている自分がいる。
とにかく今は山を降りて、家に帰ろう。
<第五日目 終了>