奥秩父主脈縦走5日間 <2019.05.01-05> 第一日目

⇒INDEX

<第一日目>
奥多摩駅(06:50)→六ッ石山分岐(10:43)→鷹ノ巣山(12:43)→七ツ石山水場(14:55)→奥多摩小屋跡(16:12)→雲取山避難小屋(17:15)

眠らなければならない。荷造りは大体いつも要領が悪い。
結局布団に入ったのは午前1時半だ。これも、登山にあるまじき行為でないの?

起床4時10分。4時半に自宅を出発。立川駅まで家族に車で送ってもらう。
途中コンビニで、オニギリ・パン・飴・バタピー・チョコを購入(奥多摩駅にコンビニはないので)。
立川発 05:06 → 06:25 奥多摩
トイレを済ませ、オニギリを食べて、出発する。

06:50 奥多摩駅出発 奥多摩駅

ちなみに、奥多摩駅にはゴミ箱はない。

今回は、奥秩父主脈縦走にふさわしく、バスで鴨沢の登山口まで行かずにあくまで駅から出発して、長大な石尾根を登る。
6時前に雲取避難小屋に付けばいいが・・・自信はない。
だが、雲取までは以前も来ているので、時間が押してもそれほど心配はしていない。
とにかく本日のミッションは、石尾根のピークをできるだけ忠実にトレースし、前回できなかった鷹ノ巣山と七ツ石山のピークを踏むことだ。

奥多摩駅の標高は、およそ海抜340M。目的地雲取山の標高が2017Mだから、今日は概ね1670Mを登る。
じわじわ行け。

初日前半部分地図(地理院地形図に加筆)

◇マウスで拡大縮小できます◇

駅からすぐ氷川大橋を渡ると、新緑の日原渓谷が出迎えてくれる。 新緑の日原渓谷

渡ってすぐの細道を入っていく。正面が石尾根の先端部だ。
登っていくと住宅の軒先をかすめて一般道に出る。 細道へ

駅から登山道の取り付きまでは、はっきり言ってわかりづらい。

一般道を進むと、写真右上のようなオーバーブリッジが。なんとこれが神社への表参道だ。 神社参道

ブリッジをくぐって右方向へ道路なりに進んでも着くようだが(カーブミラー下に標識)、ここは左へ少し登ってから180°ターンすると、ブリッジに出る。

羽黒三田神社。神社の右を巻いて登る。 羽黒三田神社

神社を通り過ぎそうになったが、思い返して正面に戻り、帽子をとって、二礼二拍手一礼する。

神社から登って、林道に出るところ。 一般道出会

林道を少し登って振り返ると、先程の神社へと下る出会部分が見える。これで標高560M付近。 振り返り

途中にはこの様な標識も。勘弁してほしい。 注意書1

なんとか迷わず登山口に到着。ここからは林道などとの出会はなく、登山道になる。 上にもう一つ社がある。 登山口

勘弁してほしい。 注意書2

途中の社(絹笠神社というらしい) 途中の社

社からすこし登ると分岐が見えてきた。直進すると林道をへて三ノ木戸集落へと下る。集落を経ても行けるようだが、ここは折り返すように右上方向へ登る。
なお、「三ノ木戸」と書いて<サヌキド>と読むようだ。

分岐

(814)付近と思われる。美しい広葉樹体の向こうは、三ツドッケ〜川乗山方面と思われる。 814付近

これまたよく整備された人工林の針葉樹帯。 人工林

尾根はこんな感じだ。ここまでフーフー言いながら歩いてきたが、気持ちのよい風景だ。 尾根の雰囲気

途中途中には標識が。この辺はよく踏まれた登山道だ。 識標

三ノ木戸山の北斜面あたりと思われるトラバース(標高1150M付近か)。右手に見えるのが六ツ石山の肩だろうか・・ 三ノ木戸山北斜面

ミツバツツジがあざやかな色合いを見せる。 ミツバツツジ

尾根が見えてきた。標識もある。日がさしてきたぞ。 三ノ木戸山分岐

標識から少し登って振り返る。左側斜面から登ってきたわけだ。
正面の小さなピークが三ノ木戸山であろう。だが歩いている時は気が付かなかった。 三ノ木戸山

間もなく分岐が見えてくる。 分岐

三ノ木戸集落分岐。9時53分。コースタイムより少し遅いくらいだ。 三ノ木戸集落分岐標識

振り返るともう一人上がってくる。
聞けば、駅から登ってきて雲取りから瑞牆まで縦走の予定という。
おんなじじゃあないか、自分と。
この方(A氏としておこう)とは大弛小屋まで何度も出会った。40歳前後とお見受けしたが、自分よりもペース早く登って行かれた。この後、鷹ノ巣小屋でA氏とまたお会いする。 登山者

六ツ石山へは分岐から300Mほど登る。先程の彼は、もう随分上のほうだ。 六ツ石への登り

(1452)と思われる。・・・キッつ。 1452

地形図に山名の記載はないが、登山地図では「狩倉山(不老山)」となっている

分岐標識が見えてきた。 分岐へ

六ツ石山分岐 六ツ石山分岐

こんな花も。濃い赤紫の釣鐘状の花が可愛らしいが、名前がわからん。
将門馬場手前と思われる登り斜面。 お花

将門馬場付近。このあたりは一旦緩やかな尾根道に。 将門馬場付近

また分岐があるぞ。 分岐

尾根道とまき道の分岐だ。登ることにする。 分岐標識

城山手前の急登。 城山手前

だから、キッツいってぇの。 キッツい斜面

カラ沢ノ頭だと。1490。
地形図にも登山地図にも記載なしだが、そう言うらしい。いや〜キッツい。
それにしてもわざわざ「カラ沢・・」と書いた横に(涸)って書くかなー。それに四方八方、沢だらけだぞ。 1490カラ沢ノ頭

カラ沢ノ頭からほどなく、城山に到着。1523。相当消耗している。 1523城山

さらに尾根はつづく。いつの間にか霧になった。 城山からつづく尾根

斜面で休憩する私。 休憩中

水根山(1620)を通過。 水根山

まだまだ登って行く。 つづく尾根

鷹ノ巣山への登り。 鷹ノ巣山への登り

頂上か。 鷹ノ巣山

着いたぜ。でも一杯いっぱいだぜ。 鷹ノ巣山山頂

山頂標識

鷹ノ巣山から下ると、懐かしい風景が。避難小屋のベンチだ。 避難小屋ベンチ

鷹ノ巣避難小屋。5年前と変わらぬ佇まい。
12時57分到着。 避難小屋到着

ここで先行していたA氏と再会。食事を済ませたようで、ちょうど出発されるところだった。

A氏:「これから雨らしいですよ」
「そうですか」

A氏:「七ツ石小屋でテントを張ろうと思っています」

・・・まだ1時だし、夕方にはなってしまうが、雨でテントを濡らしたくない。体が多少濡れても雲取避難小屋まで行って、小屋の中で泊まりたい・・・

「自分は、今日は雲取避難小屋まで行きたいと思ってます。」

A氏「そうですか。それではお気をつけて。どこかでまたお会いするでしょうね」 「そうですね」

彼は出発していった。

初日後半部分地図

◇マウスで拡大縮小できます◇

13時17分、鷹ノ巣小屋出発。15M程度離れて振り返るともう霞んで見える。 避難小屋出発

峰谷分岐。
日蔭名栗山・高丸山は踏まずに、まき道を進んできた。 峰谷分岐

七ッ石山分岐。ここで逡巡する。(14:44) 七ッ石山分岐

尾根道を行くつもりだったが、A氏の言葉通り雨がポツポツ降りだした。天気予報どおりならこれから回復はない。
いまからどんなに頑張っても、雲取まで2時間半以上かかるだろう。七ッ石山山頂にトライするか・・・
それだと18時にもなってしまう。巻くしかないか・・・
七ツ石山頂はあきらめ、まき道を進むことにした。

まき道もこんな感じ。 まき道の木段

崩れかけの部分もあり結構危ない。まあ、なかなか転落する人もいないだろうが、慎重に進まなければならない。

七ツ石の水場が見えてきた。ここは水量豊富でよく出ている。 七ツ石水場

カラにして上がってきたキャリーとペットボトル2本を満水にする。夕食と明日の朝食の分だ。 給水タイム

給水後、小袖への分岐まで来た。雨はすでに本降りになっている。 小袖分岐

ブナダワ到着。土砂降り状態にちかい。
写真を取る気力も失せる。 ブナダワ

閉鎖された奥多摩小屋についた。
ここから山頂まで1時間ほどだが、もう歩きたくなくなってきて、小屋の玄関脇に残された小さいベンチにへたり込む。
靴にも完全に浸水している。

A氏の言うとおり、七ツ石小屋にお世話になるべきだったのだろうな・・・。事前の調べでは、七ツ石小屋は予約で埋まっていたが、この天気なら空きもあっただろうに。
今更ながら、自分の判断が恨めしく思えてくる。
しかし立ち上がって進むしかない。 奥多摩小屋

1939小雲取山
じりじり登るが、リュックの荷重が肩に食い込むようだ。 小雲取山

もう、最後のあたりは、寒さと、全身ずぶ濡れなのと、疲労困憊でどうしようもない感じ。
朦朧としたまま、雲取避難小屋に到着したのは、17時15分頃のことだ。 奥多摩駅から10時間25分だ。18時前には 着いた。

寒暖計は<11℃>ほど。
それほどの寒さではないはずだが、全身がガクガク震えているのがわかる。 雲取避難小屋到着

当然ここは無人の小屋だが、登山者が6〜7名、さすがこの天気でも雲取山だな、という感じ。
寝場所を融通してもらい、下着まで濡れているので直ちに着替えをする。ハンガーがいくつかあったので、濡れた衣服を片っ端からかける。それ以外は板の間に広げておくしかない。
震えが止まらず、温かいものを食べなければならない。
お湯を沸かしアルファ米へ。またカレーと味噌汁を作って食べる。

奥多摩駅から避難小屋まで、約10時間30分を要した。
標高差1700Mちかくを、よく登ってきたものだと思うが、感傷にひたる余裕もない。
19時40分をまわっている。
とにかく寝よう。
靴と靴下がぐちゃぐちゃなのが気になったが、明日のことは明日考えよう。
シュラフを出し、ダウンジャケットをひっかぶってもぐり込む。

暖かくなってきた。眠くなってきた。

<第一日目 終了> 

⇒第二日目へ

jadwigalareve.hatenablog.jp