<第一日目>
奥多摩駅(06:50)→六ッ石山分岐(10:43)→鷹ノ巣山(12:43)→七ツ石山水場(14:55)→奥多摩小屋跡(16:12)→雲取山避難小屋(17:15)
眠らなければならない。荷造りは大体いつも要領が悪い。
結局布団に入ったのは午前1時半だ。これも、登山にあるまじき行為でないの?
起床4時10分。4時半に自宅を出発。立川駅まで家族に車で送ってもらう。
途中コンビニで、オニギリ・パン・飴・バタピー・チョコを購入(奥多摩駅にコンビニはないので)。
立川発 05:06 → 06:25 奥多摩着
トイレを済ませ、オニギリを食べて、出発する。
06:50 奥多摩駅出発
ちなみに、奥多摩駅にはゴミ箱はない。
今回は、奥秩父主脈縦走にふさわしく、バスで鴨沢の登山口まで行かずにあくまで駅から出発して、長大な石尾根を登る。
6時前に雲取避難小屋に付けばいいが・・・自信はない。
だが、雲取までは以前も来ているので、時間が押してもそれほど心配はしていない。
とにかく本日のミッションは、石尾根のピークをできるだけ忠実にトレースし、前回できなかった鷹ノ巣山と七ツ石山のピークを踏むことだ。
奥多摩駅の標高は、およそ海抜340M。目的地雲取山の標高が2017Mだから、今日は概ね1670Mを登る。
じわじわ行け。
初日前半部分地図(地理院地形図に加筆)
◇マウスで拡大縮小できます◇
駅からすぐ氷川大橋を渡ると、新緑の日原渓谷が出迎えてくれる。
渡ってすぐの細道を入っていく。正面が石尾根の先端部だ。
登っていくと住宅の軒先をかすめて一般道に出る。
駅から登山道の取り付きまでは、はっきり言ってわかりづらい。
一般道を進むと、写真右上のようなオーバーブリッジが。なんとこれが神社への表参道だ。
ブリッジをくぐって右方向へ道路なりに進んでも着くようだが(カーブミラー下に標識)、ここは左へ少し登ってから180°ターンすると、ブリッジに出る。
羽黒三田神社。神社の右を巻いて登る。
神社を通り過ぎそうになったが、思い返して正面に戻り、帽子をとって、二礼二拍手一礼する。
神社から登って、林道に出るところ。
林道を少し登って振り返ると、先程の神社へと下る出会部分が見える。これで標高560M付近。
途中にはこの様な標識も。勘弁してほしい。
なんとか迷わず登山口に到着。ここからは林道などとの出会はなく、登山道になる。 上にもう一つ社がある。
勘弁してほしい。
途中の社(絹笠神社というらしい)
社からすこし登ると分岐が見えてきた。直進すると林道をへて三ノ木戸集落へと下る。集落を経ても行けるようだが、ここは折り返すように右上方向へ登る。
なお、「三ノ木戸」と書いて<サヌキド>と読むようだ。
(814)付近と思われる。美しい広葉樹体の向こうは、三ツドッケ〜川乗山方面と思われる。
これまたよく整備された人工林の針葉樹帯。
尾根はこんな感じだ。ここまでフーフー言いながら歩いてきたが、気持ちのよい風景だ。
途中途中には標識が。この辺はよく踏まれた登山道だ。
三ノ木戸山の北斜面あたりと思われるトラバース(標高1150M付近か)。右手に見えるのが六ツ石山の肩だろうか・・
ミツバツツジがあざやかな色合いを見せる。
尾根が見えてきた。標識もある。日がさしてきたぞ。
標識から少し登って振り返る。左側斜面から登ってきたわけだ。
正面の小さなピークが三ノ木戸山であろう。だが歩いている時は気が付かなかった。
間もなく分岐が見えてくる。
三ノ木戸集落分岐。9時53分。コースタイムより少し遅いくらいだ。
振り返るともう一人上がってくる。
聞けば、駅から登ってきて雲取りから瑞牆まで縦走の予定という。
おんなじじゃあないか、自分と。
この方(A氏としておこう)とは大弛小屋まで何度も出会った。40歳前後とお見受けしたが、自分よりもペース早く登って行かれた。この後、鷹ノ巣小屋でA氏とまたお会いする。
六ツ石山へは分岐から300Mほど登る。先程の彼は、もう随分上のほうだ。
(1452)と思われる。・・・キッつ。
地形図に山名の記載はないが、登山地図では「狩倉山(不老山)」となっている
分岐標識が見えてきた。
六ツ石山分岐
こんな花も。濃い赤紫の釣鐘状の花が可愛らしいが、名前がわからん。
将門馬場手前と思われる登り斜面。
将門馬場付近。このあたりは一旦緩やかな尾根道に。
また分岐があるぞ。
尾根道とまき道の分岐だ。登ることにする。
城山手前の急登。
だから、キッツいってぇの。
カラ沢ノ頭だと。1490。
地形図にも登山地図にも記載なしだが、そう言うらしい。いや〜キッツい。
それにしてもわざわざ「カラ沢・・」と書いた横に(涸)って書くかなー。それに四方八方、沢だらけだぞ。
カラ沢ノ頭からほどなく、城山に到着。1523。相当消耗している。
さらに尾根はつづく。いつの間にか霧になった。
斜面で休憩する私。
水根山(1620)を通過。
まだまだ登って行く。
鷹ノ巣山への登り。
頂上か。
着いたぜ。でも一杯いっぱいだぜ。
鷹ノ巣山から下ると、懐かしい風景が。避難小屋のベンチだ。
鷹ノ巣避難小屋。5年前と変わらぬ佇まい。
12時57分到着。
ここで先行していたA氏と再会。食事を済ませたようで、ちょうど出発されるところだった。
A氏:「これから雨らしいですよ」
「そうですか」
A氏:「七ツ石小屋でテントを張ろうと思っています」
・・・まだ1時だし、夕方にはなってしまうが、雨でテントを濡らしたくない。体が多少濡れても雲取避難小屋まで行って、小屋の中で泊まりたい・・・
「自分は、今日は雲取避難小屋まで行きたいと思ってます。」
A氏「そうですか。それではお気をつけて。どこかでまたお会いするでしょうね」 「そうですね」
彼は出発していった。
初日後半部分地図
◇マウスで拡大縮小できます◇
13時17分、鷹ノ巣小屋出発。15M程度離れて振り返るともう霞んで見える。
峰谷分岐。
日蔭名栗山・高丸山は踏まずに、まき道を進んできた。
七ッ石山分岐。ここで逡巡する。(14:44)
尾根道を行くつもりだったが、A氏の言葉通り雨がポツポツ降りだした。天気予報どおりならこれから回復はない。
いまからどんなに頑張っても、雲取まで2時間半以上かかるだろう。七ッ石山山頂にトライするか・・・
それだと18時にもなってしまう。巻くしかないか・・・
七ツ石山頂はあきらめ、まき道を進むことにした。
まき道もこんな感じ。
崩れかけの部分もあり結構危ない。まあ、なかなか転落する人もいないだろうが、慎重に進まなければならない。
七ツ石の水場が見えてきた。ここは水量豊富でよく出ている。
カラにして上がってきたキャリーとペットボトル2本を満水にする。夕食と明日の朝食の分だ。
給水後、小袖への分岐まで来た。雨はすでに本降りになっている。
ブナダワ到着。土砂降り状態にちかい。
写真を取る気力も失せる。
閉鎖された奥多摩小屋についた。
ここから山頂まで1時間ほどだが、もう歩きたくなくなってきて、小屋の玄関脇に残された小さいベンチにへたり込む。
靴にも完全に浸水している。
A氏の言うとおり、七ツ石小屋にお世話になるべきだったのだろうな・・・。事前の調べでは、七ツ石小屋は予約で埋まっていたが、この天気なら空きもあっただろうに。
今更ながら、自分の判断が恨めしく思えてくる。
しかし立ち上がって進むしかない。
1939小雲取山。
じりじり登るが、リュックの荷重が肩に食い込むようだ。
もう、最後のあたりは、寒さと、全身ずぶ濡れなのと、疲労困憊でどうしようもない感じ。
朦朧としたまま、雲取避難小屋に到着したのは、17時15分頃のことだ。
奥多摩駅から10時間25分だ。18時前には
着いた。
寒暖計は<11℃>ほど。
それほどの寒さではないはずだが、全身がガクガク震えているのがわかる。
当然ここは無人の小屋だが、登山者が6〜7名、さすがこの天気でも雲取山だな、という感じ。
寝場所を融通してもらい、下着まで濡れているので直ちに着替えをする。ハンガーがいくつかあったので、濡れた衣服を片っ端からかける。それ以外は板の間に広げておくしかない。
震えが止まらず、温かいものを食べなければならない。
お湯を沸かしアルファ米へ。またカレーと味噌汁を作って食べる。
奥多摩駅から避難小屋まで、約10時間30分を要した。
標高差1700Mちかくを、よく登ってきたものだと思うが、感傷にひたる余裕もない。
19時40分をまわっている。
とにかく寝よう。
靴と靴下がぐちゃぐちゃなのが気になったが、明日のことは明日考えよう。
シュラフを出し、ダウンジャケットをひっかぶってもぐり込む。
暖かくなってきた。眠くなってきた。
<第一日目 終了>