2019南八ヶ岳縦走 第一日目

2019夏 南八ヶ岳縦走

八ヶ岳主峰

5月に奥秩父主脈を5日間かけて縦走したが、最終日に金峰山からの八ヶ岳の眺めは美しく、北アルプスの前哨戦として自然と「次は八ヶ岳へ」となった。

→2019奥秩父主脈縦走へ

7月中盤の連休に山行を予定していたが、今年は長雨で天気が悪い日が続き、仕事にも忙殺されて、ついに8月の声を聞く頃にやっと天候は回復する。
8月2日(金)〜4日(日)の3日間に照準を定め、赤岳を主峰とする南八ヶ岳を縦走することとした。
概略のルートと行程は、次のようなものだ。

  • 一日目
    • 立川発 7:21 <中央線> → 8:53着 小淵沢 <takusi-> → 観音平
    • 観音平 → 編笠岳 → 権現岳(権現小屋泊)
  • 第二日目
    • 権現岳 → 赤岳 → 横岳 → 硫黄岳 → オーレン小屋(テン泊)
  • 第三日目
    • オーレン小屋 → 根石岳 → 天狗岳 → ニュウ → 麦草峠
    • 麦草峠発 15:40 <バス> → 16:52着 茅野 → <中央線> → 立川

行きも帰りも、「あずさ」の旅となる。
これまでの山行に比べ、格段に危険度も増すことであるし、秋には北アルプスを予定しているので、ヘルメットを購入して臨むことにした。
ピエールはゆく。ピエールは進む!

第一日目 (2019.08.02.Fri.)

◆通常のマウス操作で拡大・縮小、移動が可能です。
◆第一日目のルートは、緑の線で表現しています。出発地点の観音平、到着地点の権現小屋までスクロールしてみてください。
◆この地図は、国土地理院電子地形図の地図タイルを使用しています。

下り「あずさ1号」の指定席は満杯で、立ち席で往く。
小淵沢までの特急でこれより早い列車はなく、登山口の観音平までタクシーを飛ばしても、登り始めはどうしてもAM9:30前後となる。

小淵沢駅舎

真新しくモダンな駅。前はこんなんじゃなかった・・

観音平

登山口の観音平(標高約1,560M)。 かるく準備運動をして、いざ出発だ(9:29)。
このときはまだ、天気も良かったが・・

八ヶ岳の森

誰かも書いていたが、八ヶ岳の森は秩父あたりの森とちがって、なんとなくハイカラな感じがする。 林相がオオシラビソやトウヒなどの針葉樹で、樹皮が白っぽく、すくっとした立ち姿が美しい。 森がごちゃごちゃしていない感じ・・・

雲海展望台

「雲海展望台」というところにつく(標高約1,880M)。 ここまで約1時間は、ほぼコースタイムどおり(10:32)。 もう天気はぐずついてきた。展望台なのにな・・・文字通り雲海の中に入ってしまう。 このあとすぐに雨になる。

押手川

押手川到着(11:23)。標高2100付近だ。 この頃にはもう、土砂降り手前ぐらいの雨に。 晴れるはずだったのに・・

編笠への登り

押手川を過ぎると次第に傾斜がきつくなる。 雨は降りやまず、登山道は川のように・・。

岩だらけの登山道

雨であきらかにペースが落ちた。 若いもんにも抜かれてしまう。 バラ科の花だろうか・・・

ヤマシャクナゲ

ヤマシャクナゲ。 しっとりと美しい。

一瞬の青空

きつい登りだが、森林限界を過ぎて、空が明るくなる。 山頂が近いか。 一瞬の青空がのぞく。

編笠山山頂

着いた(13:11)。 編笠山山頂(標高2,524M)。 ここまで3時間でくるつもりが、コースタイムより1時間近くも遅れている。 それに全く展望は得られない。 雨は小康状態だが、気分はイマイチというところ。 予定のキレット小屋まで行けるだろうか。

編笠からの下り

山頂を出て青年小屋へと下る。 編笠山北斜面は、写真のような大ガレ石ばかりとなり、本当に歩きづらい。 小屋のテン場も見える。あの先に「乙女の泉」があるはずだ。

青年小屋

青年小屋到着。 到着と同時に大雨となる。30分ほど雨宿りを余儀なくされる。

青年小屋出発

編笠山を振り返る。 雨があがり、チラと青空ものぞく。荷物をおいたまま急いで「乙女の泉」へ。 ここの水場は夏場も枯れず、水量豊富だ。 14:48、小屋を出発する。こんな時間になってしまった。

権現岳へ

前方にするどい岩峰が見えてくる。

のろし場

のろし場到着(15:20)。

岩峰鋭し

強そうなヤマが見えてきたじゃあねえか。 あれがギボシかな・・・ 緊張が高まる。

岩山

きょえ〜
左っ側、切れ落ちとるやないか。

急登開始だ

突き上げるような急登が始まる。

編笠山見返し

こわごわ、振り返る。

ルンゼを行く

今度は上を見上げる。

編笠山と青年小屋①

少し登ってきたぞ。

編笠山と青年小屋②

振り返ると、編笠山南斜面がよく見える。 登山道の筋が見え、その下に大岩のガレ場。青年小屋もよく見えている。

まだまだ登る

さらに斜度は増す。だがもうすぐ「ギボシ」ピークか?

こちらがギボシだった

登りきると・・・・・・・次のがあるやないか。 こっちが強そうだっ。

権現岳と権現小屋

おっ、右に見えるは権現岳と権現小屋じゃないか。 するとこの強そうなのが、今度こそ「ギボシ」なわけだな。

花は咲く

こんな岩場にも、花が咲いている。 強いな〜君たちは・・

ギボシ全貌

ギボシの全貌。そうか右側をトラバースすればよいのだな。
西尾根にはゴジラのトサカが着いている。夜になれば青紫に発光するのであろう。

トラバース

そのトラバースに来る。滑り落ちるわけには行かない場所だ。

手前ピークを見返す

振り返れば、先程の偽ピーク。もうあんなに下に。

おそるおそる

きゃあきゃあ言いながら進む。

ギボシのトラバース

ギボシのトラバースのクライマックス。 恐怖感もピークとなる。

鎖場の連続

鎖場が続く。

尾根到着

ギボシ下の尾根に着いた。 ギボシピークに寄りたかったが、16時だ。 キレット小屋へたどり着かねばならない。 権現岳ピークが霞んで見える。

尾根の花々

日が傾きつつある。花々が咲き誇る。

赤岳遠望

権現小屋へと少し進むと、たちまちに霧は晴れ渡り、赤岳がその雄姿を現す。 おおお〜っ

権現小屋に立ち寄り、小屋番どのに声をかけ、「キレットまでいきます」と言い残して、一旦小屋をあとにして歩き出すが、間もなく16時半となる。 キレットまでコースタイムで1時間10分。到着は18時前になるだろう。時期的にまだ明るさは残っているだろうが・・・ しばらくの逡巡の後、ここに泊まることにした。
そうなればすぐに引き返して宿泊手続きをし、荷物を置いてギボシに登ることにする。

ギボシ

ギボシへ。
こちらから見ると、登りやすそうに見える。荷物もないのでひょいひょいと登ってみる。

権現見返し

少し登って小屋方面を見返す。斜面にへばりついて建つように見える。

小屋拡大

拡大するとこんな感じ。

ギボシ山頂より①

ギボシ山頂より、大岩ののっかる権現岳山頂(標高2,715M)を遠望する。右は三ツ頭だろうか。

ギボシ山頂より②

右へと見渡してゆけば、編笠山。編笠音頭の編笠のかたち・・

ギボシ山頂より③

今日最後に歩んできた道。

ギボシ山頂より④

ギボシ西尾根。ゴジラのトサカの裏側だ。前方は立場川方面。

阿弥陀岳〜赤岳

本日のハイライト。
左から、阿弥陀岳〜中岳〜赤岳。
中岳〜赤岳の間には、大同心・小同心の岩壁が見る。
右手から伸びる尾根が明日進む道。

ギボシ山頂より⑤

赤岳の荒々しい山肌を背に、明日の縦走尾根上にある旭岳山頂付近を拡大してみる。山頂の標識も見えている。

ギボシ山頂より⑥

権現岳北尾根部分。有名な長ハシゴのあるところ。

花は咲く

岩肌には桃色の小さな花がびっしりと咲いている。

フデリンドウ? フデリンドウも。

小屋内部

キレットでテント泊のつもりだったが、今日は権現小屋さんにお世話になることに(ここにはテン場はない)。
今日は6名程度。二階が宿泊室だ。
早めに寝て、明日は早めに起きよう。

jadwigalareve.hatenablog.jp